【アイナナ】(続) 敏腕マネージャー蓮くんのアイドル密着24時【男主】 (ページ41)

今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:138,160 hit

081.「夢みたい……」ページ41

「天」

「なに？もしかして嫌いになった……？」

「はあ？」

ダブルベッドに入り、俺の横にいる天はうつ伏せの状態から布団を被り出した。

今更顔を合わせづらくなったのか？
なんで事後じゃなくて今の流れなのだろうか…
俺には理解出来ない。

が。

「はっきり言わせて頂きますが」

「……はい」

天は変わらず一向に顔を出さない。

もういいよ。1度しか言わないから。

「どんな天も好きだよ」

「……」

「今更こんな事でお前を嫌いになる事なんて無いから」

「……………ふーん。そう」

俺が勇気を振り絞って言ったらケロッとした顔で布団から顔を出しやがったぞ。

今なら楽の気持ちが痛いほど分かったぜ！！！！！
言い損したし！！！！

……まぁいいや、本題はそこじゃなくて。

「天、来週から荷物まとめとけ」

「……なんで？」

「俺の家で一緒に暮らそっか」

「えっ…」

目を見開く天。

俺はベッドの脇にある仕事用の手帳を取り出し、スケジュール欄を見せた。

「来週は比較的仕事も詰めてないからな。今週は頑張ってもらわないといけないけど……天が嫌じゃなきゃ」

「やる！！！！今週頑張るから！！！！」

「……おー」

めっちゃ食い気味だったけど、すごいやる気だな。仕事熱心なアイドル持ってマネージャーは助かります。

「夢みたい……」

「喜んでくれてるみたいで嬉しいですよ」

天は嬉しそうに俺の肩に頭を置いて擦り寄ってきた。……こー見るとじゃれてくる可愛い猫に見えるけど実際は肉食ライオンですよね。

若さゆえか……それともこいつの本性か。

どっちにしろこいつに貼られている世間のレッテル『現代の天使』からは掛け離れています。

＊＊＊＊＊

「どうしよう楽。好きすぎるんだ。蓮くんが天使に見えるんだよね。いや天使だったんだ…」

「末期だな」

「何とでも言えばいい。今のボクは何でも許してあげるよ」

「大丈夫かこいつ。頭まで逝ったか」

「楽！それほど天は嬉しかったんだよ、晴れて蓮と暮らせるようになって」

「何が違うんだよ、前から一緒に暮らしてたようなモンだろ？」

「全然？彼の家に泊まる事は少なかった。彼が自分の家に帰る事自体が少なかったし」

「そっか、ホテル泊まりが多かったからね」

「そう。だから正式に彼の口から言われた事が大きな進歩。前と全然違うから！」

「そうかよ…」

楽が呆れたような顔でボクを見てくるけど、そんなのはどうでもいい。