064.「話早すぎ………」 ページ24
駄々こねる蓮を黙らせる方法なんていくらでもある。
今有力に使えるのはここら辺かな?
「しょーがねーなー。蓮が来ないなら九条君に昔の蓮のプリクラ見せちゃうぞ♡」
「わかった付き合おう」
すげーだろ変わり身の早さ。俺のスマホの中に入ってる蓮の高校時代のプリクラ見せてみたらこうだ。しかもただ映ってるだけじゃなく、悪ノリでみんなでホスト風にピン撮りしたやつ。
蓮のプリクラなんてネクタイ緩めながらわざとらしく舌出してるやつだぜ?悪どい顔が決め手。
こんなん見られたら今の蓮にとって死にたくなるぐらい恥ずかしいだろーしぃー。
「いやあこの頃が懐かしいねえ〜〜っ!」
「つかまだそんなん持ってる事が意味わかんねえ」
ものすっごい不機嫌そうな顔で見てくるけどそんなんしーらね。
とりあえず蓮をレッスン場までグイグイ手を引っ張って連れ出した。
蓮はおもむろにスーツの上着を脱いで雑に床に置いた。もうどうにでもなれって思ってんだろうな。
とりあえず振りの練習もしたいが、その前に本題だ。
「単刀直入に聞くけど九条君と付き合ったんだって?おめでとう」
「お前なんで知ってんだ!!!!!!」
「今日の夜中に九条君からラビチャ来たよ」
「お前らそんな仲良かったっけ!???」
激しく動揺する蓮の前に証拠としてズイッとスマホの画面を突き付ければ、あいつは口元を片手で抑えて絶句してる。ウケる。
「話早すぎ………」
「ちなみに俺から咲羅さんにも報告しといた」
「だからなんでそうやってすぐ情報回すの!?」
「いやあ、おめでたいじゃないか」
それ以前に九条君の片想いがようやく実った事にみんなほっとさせたい為。
とりあえず蓮には近日中にお祝いパーティーするよーって伝えれば「大げさだよ!!」と言われて更に笑えた。そのセリフが九条君とまったく一緒だったから。
なんだかんだ蓮って影響力があるから、一緒にいるとなんか雰囲気似てくるんだよな。
「君達お似合いだよ〜!!
とりあえずちゅーはしたのか?」
「うっぜそんな所まで言う訳ないだろ!!」
「なんだよケチ。蓮ってマジでむっつりだよな」
「俺そんなんじゃないから!!!」
何言ってんだお前は絶対むっつりだから。
きっとみんながそう思ってるよ。
とりあえず振りを蓮に教えると早速練習する事になった。相変わらず一発で覚えんの本当すげーよなぁ。
完全に2人の世界に入った時、レッスン場に誰かが入った事にはまだ気付けなかった。
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作者名:澪 | 作成日時:2016年9月23日 20時