【アイナナ】(続) 敏腕マネージャー蓮くんのアイドル密着24時【男主】 (ページ12)

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052.「……顔赤いね？」ページ12

さっきだってさぁ～大の大人に対して耳元に息を吹きかけたりすんの絶対からかってるよな。

そっと耳元を触るとピアスの感触。
天に息を吹きかけられた箇所を触るとやっぱりゾワッと栗立つ。

マジここ弱点だからさっきのでバレてなきゃ良いけど……

そんな事を考えながら喫煙所から出ると、一織とMEZZO”の2人はいなくなっており、代わりにいたのは天だった。

「蓮くん！」

「天！？なんでいんの！？」

「ここで誰と会ってたの」

天は足早に俺に近付いては、ものすごい形相で詰め寄ってくる。俺はすかさず後方に後ずさる。
その間もどんどんと詰め寄ってくるから逃げ場が無くなっていく。

つかなんでこんな不機嫌なの……！？

「さ、さっきMEZZO”と一織に会って…」

「四葉環になんかされたでしょ」

「なんか……？いや特に…」

「嘘だ。抱きつかれてたよね？」

「えぇ？あれは挨拶代わりみたいなもんだよ」

「ふぅん？じゃあ挨拶だったらキスも出来るんだ？」

「は？……待て！こっち来んな！」

追いかけられてとうとう逃げ場が無くなり広いロビーの壁端に追いやられ、天はナチュラルに俗に言う壁ドンをしてきた。しかも顔ちっか！！

「……普通逆じゃないのか」

「そんな事はどうでもいい」

久しぶりに天の顔を間近で見て綺麗な顔だなぁって場にそぐわない思いで見ていると、急に天とキスした時の事を思い出した。

そういや俺、こいつの事で悩んでた！！！！！

ヤバい！！！この状況めっちゃ恥ずかしい！！！
心臓保たない！！！！

「……顔赤いね？」

「！！？？？」

気づかなかったわ！！俺顔に出てるんですか！！？？

「意識してくれてるんだ？………可愛い」

「からかうなって！！わっ……ちょ……」

顔がっっ！！近いって！！！
しかも近づいてくる！！！どうしよ！！！
こんな所見られたら………！！！

「蓮？」

かなりの至近距離で天は動きを止めた。
互いに声のした方に顔を向けると、少し離れた場所に樹がいた。

おおおおお救世主！！！！！！！
たまに使えるなあのタラオも！！！！！！

そして俺と天は自然な動作で互いに離れていく。

互いの顔には笑顔を張り付けている。
恐るべしオンオフの使い方。

「……紅城さん、収録ですか？」

「よぉ、九条君。
ちょうど収録終わって通りかかったんだ」

「お疲れ様です」

……天の笑顔が不気味なのは何も言わないでおこう。