3度目の夏。 ページ3
それからまた2年。A会うのは7回目。
僕は就活をしない大学4年生になった。
「「まふの友達?行く」」
うらさかにAの事を言うとそう言ったので、
「わたるさん、彼方さん!起きて!!」
「ん……あと5分……」
「そらるさんはあと10分……」
「彼方さんもわたるさんも知りませんからね……」
そらまふうらさかという超絶うるさい4人組で来てしまった。
「……年上組は駄目や。まふ行こ」
「「待って待って待って待って」」
……よほどAに会いたいんだなぁ。
「ちなみに、歌い手の事は全くもって言っていないので」
「あ、居た居た。おーい、Aー」
そらるさんが名を呼ぶと、やっぱり変わっていないAが振り返る。
「久しぶり!今年は4人で?」
「浦田わたるさんと、坂田優だよ!Aの事話したら行きたいって言ってきて〜」
幸い此処は東京に近めなので時間と費用はそんなにかからないが、他3名となると少々大変だった。
久しぶりに鬼ごっこをして、その休憩中。
「そういえば、4人ってそらまふうらさかに似てるね」
「「「「え」」」」
Aがあまりにも衝撃的な一言を言ったので、全員が硬直してしまった。
「なんで皆固まってるの?もしかして……本人?」
Aはからかうように言う。
「……そうやよ」
……さかたん!!
「でも、絶対言わないでな!色々あるから……」
「分かってるよ!」
マナーがなってるリスナーだなぁ。
まぁ、最初から疑ってないんだけど。
「僕達の事いつ知ったの?」
「4ヶ月位前!スマホ買ったんだ!」
すぐ知ってもらえたんだなぁ……
僕は嬉しくなった。多分そらるさんもだろう。
____歌い手の事を知ってもらえていた、2013年の8月。
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作者名：夕焼 波雫 | 作成日時：2018年10月10日 6時
