1度目の夏。 ページ1
……涼しい所に行こう。
高校1年生の7月、ふいにそう思った。
高校から一人暮らし、と言って地方出身と勘違いする人が多いが、僕は生まれた時から都心住み。
自然が豊かな所に行ってみたい、というのは前々から思っている事だ。
それが、高校に入っていじめも少しましになった今、思いが強くなった。
現実逃避と夢を叶えに、長野辺りに行こう。
8月、着いた長野県の東の方。
これから2週間、この辺りにお世話になる。
……涼しい。
ホテルに着いた後、せっかくだから森林浴でもしよう、と決め、森も端に居る時だった。
「ねぇ、一緒に遊ぼ!」
少女の声がして振り返る。
……綺麗なふか緑のセミロング。髪より少し薄めの緑の目。真っ白の膝上ワンピース。
中学2,3年生だろうか。とにかく綺麗でかわいい少女だった。
「私、Aっていうの。あなたは?」
「僕は、相川真冬」
「真冬……まふ!よろしくね!」
それから僕とAは、この森の話や僕の身の話をした。
「あ、そうだ!後日って何か予定ある?」
僕は、気ままに行ってるから決まってる事はないよ、と言った。
「じゃあ、ちょっと下った所に色んな施設があるんだ!明日か明後日はそこに行こう!」
翌日から、森と施設を日替わりで巡った。
Aは、毎日同じ服で、僕を出迎えてくれた。
____これが、僕とAが出会った2007年の8月。
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作者名:夕焼 波雫 | 作成日時:2018年10月10日 6時