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紫耀side
それから数週間
そんな風に少しづつ距離感が
生まれてきてしまいつつあったある日
夕ご飯の時間帯になり
いつものようにレシピを見ながら試行錯誤していると
寝室のドアが開いた
「あれ、どした」
「うわぁ」
突然寝室から出てきたと思ったら俺の胸に飛び込んできて
大きな目に涙をいっぱい溜め込んで
あのね、あのねと俺の胸元で暴れるAに
落ち着いての気持ちを込めてしばらく頭を撫でていると
落ち着いてきたのかゆっくりと息を吸って
意を決した表情で俺を見つめた
「わたし、紫耀君のご飯食べてもいい？」
「えっもちろんだよ。食べてくれてありがとう！」
思いっ切りの笑顔で
そうAの顔を覗き込んで答えた
やばい、うれしい
そして、かわいい
俺のお茶碗よりとっても小さなお茶碗にご飯を盛って
テーブルまで小走りで席に向かうと
自分の部屋着の裾を掴み
俯いて綺麗な瞳からぽろぽろと涙を流すAがいた。
俯いたままAは小さな声で言葉を発した
「今までほんとにごめんね 、
紫耀君が作ってくれたご飯を吐いちゃうのが怖くて
吐いちゃうくらいならって思って食べなかったの」
「今日も食べたら吐いちゃうかもしれない
それでも食べていい？」
部屋に沈黙が続いた
この一言で君が救われてほしい
俺も君に伝えたいことがある
そう思い俺はこう言った
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作者名：らむちゃ | 作成日時：2023年8月15日 21時
