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Aｓiｄe
寝室のドアノブの音で目が覚める
紫耀君の顔が見れなくてねたふりをする
今日も食べれなかった
その言葉が今日も私を責める、今日も涙が止まらない。
こんだけ紫耀君だって応援してくれてるそれに答えたい
紫耀くんが作ってくれた絶対に美味しいご飯が食べたい
でも、それと比例して
ただただ紫耀が作ってくれたご飯を吐き戻してしまうのが怖い
きっかけは些細なことだった。
大学時代の友達に久しぶりに会い話をしているとき
「あれ、なんかA太った？誰かと思った笑」
「えぇほんとにー笑」
その時は笑って流せたものの昔からある気にし過ぎな性格により
次の日からダイエットを始めた食事制限やサプリ、運動を
かなりやったがあまり効果がでず悩んでた。
「もう十分可愛いと思うけどなー」
「まだ足りないの！絶対痩せるんだから！」
そんな紫耀君との会話も増えてきて
少しずつダイエット中心の生活になりつつあった
ある日連絡があった
今度の金曜のごはんいかない?
私にとって大切な先輩からの連絡で誘いを断るなんて選択肢は私のなかでなかった
少し不安を残しながら返信した
まぁ案の定出てくる食べ物は、ダイエットなんて言葉から程遠いものばかりだった
脂の乗った豚肉 茶色いものばかりのお皿 私の受け皿に止めどなく脂をよそう先輩の笑顔
正直吐き気がした
会もお開きになりかけ紫耀君に迎えに来てもらい家に帰った、
私は無意識にトイレに駆け込み口に手を入れて自らの手で吐き続けた
その後、謎の快感でそのまま久しぶりに眠れた気がした
「えっ、嘘やった！」
次の日体重が減っていた。本当に嬉しくて泣きそうだった。
下手な運動やサプリよりいいじゃん
また、吐けばいいんだと思い沢山食べては紫耀君に隠れて吐くことを繰り返した
友達や紫耀君から痩せたねと言われるたびに自己肯定感が上がりなんとも言えない満足感を得た
体重が減っていくことで同時に大切なものも失った
こんな哀れで自業自得な女をこんなに優しく抱きしめてくれる紫耀君はなんていい人なんだろう
私を抱きしめて紫耀君は呟いた
「なんにもできなくてごめんね、あの時止められなくてごめんね」
そんなことない紫耀君が支えてくれてること分かってるの
そう伝わってほしくて私もそっと彼の腰に腕を回した
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作者名：らむちゃ | 作成日時：2023年8月15日 21時
