【歌い手】夢と現実の合間で【まふまふ】

39話 ページ48

「わー！！！屋台いっぱいだね！！ぼくここの花火大会初めてくるんだーっ」




目をキラキラさせながら言う。


その横顔を見て、なんか改めてイケメンだなって冷静に思ってしまう自分がいた


だってもし私が別の人の立場で、こんな人がいたら振り返っちゃうもん。






「ん？なぁに？」



「いやっ、なんでもないです！！」



「ふーん。ならいいけどさ？...あ、そういえば。敬語...もうそろそろ、なしにしてほしい。欲を言えば、まふまふさんって呼び方も」



「わかりました...敬語やめますね？じゃあなんて呼べばいいんですかっ」



「んーー。本名、はちょっとまだ恥ずかしいから、『まふ』で！！」




「や、さすがに呼び捨ては...まふくん、でもいいですか？」



「しゃーないなぁっ。じゃあまふくんで。」



そういうとまふまふさ、、まふくんはニコッと微笑んで、私に手を差し出した。



？



私が首をかしげると



「やだなーもー。空気読んでよ、、！！」


って赤くなる。


結構攻めたこと言うのに、すぐ赤くなる。









「ぼくと、手を...繋ぎませんかっ...？」







やられた。





こんなの断れるわけない。





私はおとなしく手を差し出した。




「でもねっ、Aちゃん！！これは、やましい気持ちがあるんじゃなくてねっ！？
ほら、はぐれたら大変だから！！！」



焦るまふくんが可愛くて。




「なーんだ。つまんない」



とちょっとからかってみる。





「えっ、つまんない...！？？


本当のこと言うと、Aちゃんと、手、繋ぎたかったの...。
そしたら恋人っぽく見えるでしょう...？」




恥ずかしそうに答える姿は本当にかわいくて

これはからかったの失敗だったかも...






「...照れる」



「照れてほしかった」



まっすぐこちらを見つめる目には
さっきの可愛さはなくて。


異常にドキドキしたっていうのは、言うのやめておこう。









花火大会まで、屋台を見て回る。



「あ！りんご飴！！」


まふくんが駆け寄る。


「ぼくこれ好きなんだよねー。Aちゃんも食べる？」


「食べるー！」


私が答えると、彼は嬉しそうに笑って
小さめのりんご飴を二つ買ってきた。



「本当は大きいのが良かったんだけどさ
大きいの買っちゃうと、他のものが食べれなくなっちゃうからねー。ほら、これ食べるの時間かかるから」


と言いながら渡してくれる。






なんかいままで食べたやつより甘い。
気のせいかな。

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