【歌い手】夢と現実の合間で【まふまふ】

28話 ページ31

2人で並んでスーパーに向かう。



「あぁいうの慣れてるの？」



「慣れてはないですけど、何回かは」



「そっかぁ、、、困ったもんだっ」



「ほんとに、やめてほしいですよね...」



「そうだよね。Aちゃんにだって、す、好きな人とか...その、いるだろうしね、あんなの迷惑極まりないよねっ！！！！」



そう言ったまふまふさん。




うーん、
好きな人、かぁ。

ぱっと思いつく人いないなぁ。



というか
生きてきて17年間彼氏ができたことのない私にはまだ味わったことのない気持ちなのかも。



友達としての好き
恋愛の好き

区別が、つけられないというか、、、




自分で自分のことがよくわからないの、まだ。







「好きな人、はいないですけどね」


あはは、と笑いながら言う。



「えっ！！いないの！！！？！？」


わっ、、



「いないですっ」





「ということは、その、つまり、もし、だよ？

だ、誰かが今アタックしてきたとしたら
その人のこと好きになる、かも...？？」





「そうかもしれないですね笑」



「おぉぉっ。そっかそっかぁ！！好きな人いないのかぁーーっ！！！」



あれ、まふまふさんテンション高くなった？



さっきまで心配してくれててテンション低めだったのに。




「あ、あと」

思い出したかのようにいきなり止まった



「さっき、俺のもの とか言っちゃってごめん」




さっきの言葉がフラッシュバックする。



よく考えると
彼氏が彼女のこと言うみたいな言い方。





「全然大丈夫です！気にしないでください！」




守ってくれたことには変わりないし、そのことに関しては全く怒ったりしてなかったから。



「よかった」


ニコッと笑ったまふまふさんは

なんだか今までの可愛い感じに見ることが出来なくて
少しだけ、少しだけ、
心臓がうるさくなった気がした。

29話→←27話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す