あのこ【俳優】【女優】

続き ページ22

そこからは勉強嫌いのAにとって地獄のような勉強漬けだった。

朝早く起きて一時間美波ちゃんと電話しながら勉強。
そこから学校で6時間勉強。
学校の休み時間に単語帳をひたすら読んで勉強。
学校から帰ってお仕事に行くまでのタクシーで勉強。
お仕事のちょっとした休憩でも教科書で勉強。
帰りのタクシーで勉強。
お家のお風呂で勉強。
夜寝る前に2時間亮くんと電話しながら勉強。

これ以上ないくらい頑張った。もうこれ以上頑張ったら頑張りすぎて爆発する。

『A、ものすごい頑張ってるじゃん』
「どうしたの、亮くんいきなり」

電話越しでシャーペンを走らせながら亮くんがいきなり呟いた。

『頑張り屋さんなAには、テスト終わったあとにご褒美をあげようかなと思いまして』
「えっ!!!!ご褒美!!!!???」

亮くんのくすっと笑った声が聞こえる。

『ディズニーデートする??』

ディズニー。夢の国。お仕事で何回か行ったことはあるけどプライベートでは初めて。

「する!!!!」

あまりにも嬉しくて即答してしまった。だって、大好きな亮くんと大好きなディズニーだよ!?なんだか自分の体やる気が出てきている感じが伝わってくる。

『うふ、そんな嬉しい?』
「嬉しい!!」
『大好きな亮くんと行けるのが??』
「うん!!」
『おお...。なんか正直だね....。びっくりした』
「A、亮くんに抱きつかれたりベタベタされたするのは嫌いだけど亮くんのことは大好きだもん」

電話の外からちょっと照れたような亮くんの鼻歌が聞こえた。

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