裏組織のプリンセス (ページ7)

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むかしページ7

『首領、任務は無事完遂されました』

｢そうかい、ご苦労様。今日はゆっくり休んでね｣

『はい』

当時の彼女は16歳であった。
首領に拾われたのは11歳のためかれこれ5年程の付き合いになる
紅い瞳は濁りきっており、返り血の取れないスーツからは悪臭がする

普段はポートマフィア構成員として皆と同じようにスーツを身に纏い、サングラスを掛けている彼女。
最近は樋口一葉と仲が良いらしく、いつも行動を共にしている

そんな彼女だが、下っ端構成員にも関わらず異名がついている。

最も有名なのは"裏組織のプリンセス"
仕留めた相手は地獄の果まで追いかけ、情報を吐かせてから殺す
色仕掛けの際も潜入調査の際も失敗はしない
華麗な嘘で敵を欺くその知性は唯一無二と言っても過言ではないだろう。

ではどうしてそんな異名が付いたのか
それは、容姿が極めて美しく、どこかの国のお姫様みたいだったのは勿論、首領のお気に入りだからとか、口調がお姫様のようだからとか。
様々な理由からその異名が生まれた

彼女はその美しい容姿を武器に相手を油断させるため、どんな手段も厭わない
彼女には沢山の顔があったのだ。顔の分だけ嘘をついてきた

まるで最初から台詞が用意されているかのようにスラスラと嘘をつき、その嘘は時に味方をも騙していたという

｢他にも理由があるんだけどね〜。その話をすると本格的に殺されちゃうから｣

『まぁアレを言わなかったのは良しとするか…』

｢アレ…？｣

"アレ"
彼女には秘め事が多すぎる
アレを知っているのも極小数人だけだろう
アレ。それは彼女が裏組織のプリンセスと呼ばれるようになった、本当のーーーーー