裏組織のプリンセス (ページ19)

今日:15 hit、昨日:0 hit、合計:5,318 hit

酒ページ19

『っはー！どうせ私はダメダメですよ！』

「いいぞー！もっと呑め〜！」

はい、こんにちは
今飲んでるのはジュースです。りんごジュース
でも心做しか頭がぽわぽわします
多分太宰さんが大量に開けたお酒のせいです

『うっ、…鏡花に会えたかと思いきやさ、、あの子もう一人も殺したくないっ…って。やっぱり私に教育は無理だったんだよぅ…』

そう、私は太宰さんのように強い人間に育て上げれない
鏡花は入ってきた頃から教育係として付き合ってきたが、私の教育が甘ちゃん過ぎたせいなのか何のせいなのか、彼女に苦しい思いをさせてしまった

太宰さんが育て上げたならば殺しなんかしたくないなんて事、言わせずに済んだんだろう
彼女も苦しい目に遭わずに済んだ筈

なんだか悔しくて、りんごジュースを一気飲みした

「Aちゃんにはあって、私には無い物。なんだと思う？」

酔いが回ったのか先程まで意味分からない言語を喋っていたりもした太宰さんが、やけに真面目な口調で口を開いた

『太宰さんに無くて、私にあるもの…？』

そんな物ない。貴方は何でも持ってる
続けてそう言葉を紡ごうとした時だった

太宰さんの人差し指が、私の唇の前に置かれた
それ以上口を開くなという事だろう
それに驚いた私は、むぐっというくぐもった声を上げながらも、太宰さんを恨めしそうに見詰める