弐拾弐 ページ23
＊
『片付けとは一体……？』
廊下をキョロキョロしながら歩く前の彼に聞いた。
『気にしなくていいよ。今日は研修みたいなモノだし、オレがやるから。君は見てればいいよ』
相変わらずニコニコとした表情でこちらを見たが、目だけは獲物を探すような目で少し怯んだ。
本当に片付けとは何なのだろうか。それだけを考えていたのに、予想はかすりもしなかった。
ある襖の前でひた、と足を止めた。先輩が襖に触れようとすると、
『バチチッ』
と何かが音をたてた。
『！？』
『やっぱり…神力で結界が張ってあるなぁ。見ててね、新川ちゃん。結界はこうやって……』
先輩は襖にスッと手をかざす。何故かそのとき、先輩の霊力が結界に流れ込んでいくのがわかった。わかったというより、
バチバチバチッと小さく音をたてながら、細い無数の糸がほどけるように結界が解けてゆく。
拙者はそのときに、結界の解き方を覚えた。
結界が解けた襖を開けると、部屋の中には。
『……！』
傷ついた刀剣男士達、主に打刀がこちらに刀を向けていた。攻撃的な目で。好戦的というわけではなさそうだった。多分、後ろで怯えて震えている短剣達を守っているのだ。
何故手入れをされていないのだろうか。重傷の刀剣もちらほらいる。
『お前ら……誰だよ』
先頭に立っていた中傷の加州清光が一歩前に出て、低い声で聞いてきた。その声はいささか震えているようにも思える。
『拙者たちは……？』
警察だ、と名乗ろうとしたが、先輩の右手でそれを制された。
『……』
無言で加州に近づいていく先輩。その目はとても冷たく、拙者を制した右手はゆっくりと腰の刀の柄に伸ばされていた。
嫌なその先が見えた気がして、足を一歩踏み出し手を伸ばす。
『やめ＿＿＿』
先 輩 の 刀 が 抜 刀 さ れ 、 加 州 の 本 体 に 振 る わ れ た 。
加 州 の 刀 身 が 、 欠 片 が 、 破 壊 さ れ た ソ レ が 。
ゆ っ く り と 宙 を 舞 う 。
ス ロ ー モ ー シ ョ ン で 流 れ る 時 の 中 。
苦 痛 と 虚 無 が 混 ざ っ た よ う な 加 州 の カ オ が 、
目 に 焼 き つ い た 。
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万葉(プロフ) - メジロール。さん！こんばんは、万葉です！この作品、星が黄色になりましたね〜(*≧∀≦*)これからも頑張ってくださいv(・∀・*) (2016年8月16日 21時) (
レス) id: a801d8e41c (このIDを非表示/違反報告)
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