【刀剣乱舞】新米時の警官。壱。 (ページ2)

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昔から変な目で見られることは比較的多かった。

でもあまり気にならなかった。理由を聞きたくないほど理解しているからだ。それは、この喋り方。

理由は分かっているのに何故改善しようと思わないのかと、困った顔で聞かれることがある。聞いてきた彼らには首を傾げられるのだが、いつもこう答えている。“好んでやっていることを、何故止める理由がある？“と。

昔、爺様からよく聞いた言葉だ。母上も父上も爺様をあまり好んではいなかったけれど、それでもよく爺様の所へ行っては話を聞いた。爺様はいつも顔を綻ばせて家に入れてくれたのだ。その顔がたまらなく好きだったのを覚えている。

爺様の家に行くと、爺様は毎回床の間のある和室に入らせてくれた。爺様がいない時にも部屋に入っていいのは他に誰もいなかったらしい。婆様が生きていた時も、爺様と一緒でなければ入ることは出来なかった。言うまでもなく、爺様が怒るから。

その和室には一丁の刀が置いてあった。白であって、黒であって、鞘に入っていても艶やかに光輝く。美しいその身によく見惚れて、爺様はその刀について話してくれた。自慢気に、大切そうに。何度も何度も。

爺様は刀の他に、同じく置いてあった光輝く十手の話もしてくれた。先祖が仲のよかった友人の同心から譲られたとかなんとか。爺様はその友人をいたく気に入っているというか、誇らしげだった。

その話を含め、爺様の話は耳に浸透するまで聞いた。我らの先祖の話、和の話、現在と過去の違い、刀の話、十手の話、そして何より善……我らの正義の話。

どの話も真剣に聞いた。爺様の話は全て胸踊るものだったから。特に正義の話は爺様から目が離せなくなるほど。

この世には自分の利しか考えない、成敗すべき悪がいる。邪悪で身勝手で…何より、他を不幸にする。悲しませる。小馬鹿にして、嘲笑って、そして手をあげる。

そんな奴が許せない。爺様は、まるで自分が被害にあったのかのように怒りに満ちた顔をして語った。爺様と同じ気持ちになって、幼く小さな握り拳はは怒りで震えた。

そして爺様の話を聞いていたら、いつの間にかこう決心していたのだ。

将来、近い未来。

私が、拙者が。

正義を貫いてみせると。