移りゆく季節��〜新しい季節〜 ページ20
花火はもともと死者への鎮魂、お盆の迎え火・送り火としての意味があると聞いたことがある。
お盆の時期は過ぎてしまったけれど、まだこの世にさまよっているAちゃんの恋心を花火で派手に送ってやりたい。その場に一緒にいて共に見送りたい。そう思った。
「やっぱり最後はこれだねー。」
最後は二人で向かい合って線香花火をした。
パッ、パパッ、パパパッ
花火が繊細にその形を変えていく。
花火の光にほのかに照らされた彼女をそっと見る。落ち着いているようにも物憂げで儚いようにも見える。
今の俺には何もできない。
肩を抱くことも頭や背中をよしよしとなでることも。
ただ一緒にいるだけ。同じ時を隣でわかち合うだけ。
最後の線香花火のちいさな火の玉が、ぽとり、静かに落ちた。
リー、リリー、リリー
不ぞろいな秋の虫の音と暗がりに包まれる。
「ありがと。」
彼女の言葉と共に少しひんやりとした風が吹き抜けていった。
ひとつの季節が終わり、俺と彼女も新しい季節を迎える。
そんな予感がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みゅう(プロフ) - 西島いりこさん» お待たせいたしました。修正終わりました。ついでに全てのリンクを確認しました。お知らせくださり本当にありがとうございます。それではお楽しみくださいませ。 (2017年2月18日 23時) (
レス) id: c26f4b38a9 (このIDを非表示/違反報告)
西島いりこ(プロフ) - ありがとう (2017年2月18日 22時) (レス) id: 847b600fed (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - 西島いりこさん» あれ、図書室の妖精に飛べない！なんとかします！ (2017年2月18日 22時) (レス) id: c26f4b38a9 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - 西島いりこさん» コメントありがとうございます！久々に書いたものをおもしろいと言ってくださってうれしいです。町田さんの小説は｢図書室の妖精｣をどうぞ！こちらも続きを考えております。 (2017年2月18日 22時) (レス) id: c26f4b38a9 (このIDを非表示/違反報告)
西島いりこ(プロフ) - 町田さんの小説も読みたいけど無い・・・この小説面白い (2017年2月18日 22時) (レス) id: 847b600fed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みゅう | 作成日時：2017年2月13日 5時
