Isolde (ページ2)

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1 - ほんとうの君ページ2

Jisung side

「チソン？」

JS「びっ、くりした…。メイク終わったの？」

「うん、だからケータリング見に行こうと思ってたの」

JS「僕も行く」

「ひとりで平気なのに」

どうせジェミンオッパあたりに一緒にいてくれとか言われてるんでしょ、って僕をじとーって見つめるA。同じ部屋の少し離れたところでジェノヒョンと話してるジェミニヒョンにAとケータリング見に行くって伝えてから控え室を出る。

「お腹すいてないのに来ちゃった」

JS「これ好きじゃん」

「チソンのやつひと口ずつもらうくらいでいいかな」

チソンがいやならわたし自分で持ってく、って見上げて聞いてくるからダメなんて言えない。ダメって言うつもりもないけど…。

すれ違う人すれ違う人みんなが僕の隣のAを見ていく。当の本人は気づいてないみたいで、今日のチソンの衣装似合ってて好き〜とか今日は久しぶりにジュース飲みたいな〜とか好き放題話してる。

『ルデちゃんこれ！この前美味しそうって言ってたやつ』

「わ、こんにちは！え、いいのに… 」

『いいよこれくらい。ここの自販機にしかないんでしょ？』

「ありがとうございます…！お言葉に甘えて頂いちゃいます」

僕とふたりの時とは違う、少し高い声で男のスタッフさんと話す姿は、さっきまでのAじゃなくてNCTのルデの姿。甘そうなパッケージのその飲みものを受け取ってお礼を言うと、僕の隣に戻ってきた。

JS「もらったの？」

「うん。美味しそうって言ってたやつ」

JS「それだけでもらえたの？…わあ、本当にAって…」

「わたしは買ってなんてお願いしてないんだからね！」

JS「分かってるから静かに」

僕がわざとらしくそう言うと、焦ったようにしがみついてくるから可愛い。あの男性スタッフさんはルデとお近付きになりたいんだろうけど、まだまだだな。

HC「なにAちゃん、また男からもらったの？」

「むこうが勝手にくれたんだよ」

JM「しーっ！Aちゃん大きい声で言わない」

HC「この歳で男に貢がせてんのか…」

RJ「危ない女だな」

「ふたりともすぐそうやって言う…」

不貞腐れたような顔をしてヘチャニヒョンたちから離れたAにジェノヒョンがすかさず近づいて頭を撫でるから、ほら。ジェノヒョンとAの間に流れる空気が甘いのが、僕にまで伝わる。