Fleur d'oranger (ページ7)

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Hikaru side
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ドアを閉めた瞬間に聞こえるガシャーンと物が落ちる音。

嫌な予感しかしない。

｢………｣

無表情で涙を流した大ちゃんは自分の腕に割れたコップの破片を当てていた。

止めなきゃいけない。

でも、動けない。

そのままざっくりと切れた傷が残る。

｢やめよう、大ちゃん。｣

驚くほど静かな声で大ちゃんに話しかける。

｢……や、…｣

小さな声で抵抗してくる。

そのまま破片を奪おうとすると逃げようとする。

だが、元々の体格差もあるし大ちゃんを抑え込むのは簡単だった。

｢ぃー、、、、…やぁなの｣

「ごめんね。でも痛いでしょ？」

「……ぃたく、ない…もんっ、、、！」

この状態のままでは大ちゃんが危ない。

無理矢理にでも奪い取ってしまったほうが早いかもしれない…

「やああああああああっっっ！！！」

「ちょ、大ちゃん！」

ガラス片が無くなった大ちゃんは大声で叫びながら暴れていた。

慌てて携帯電話手に取る。

119番で救急車を呼んでいつもの病院を伝えながら、大ちゃんを抱きしめた。

腕の中でも大ちゃんは暴れていて。

服に血が付くのも気にしないで落ち着かせていると、10分もしないうちに部屋のインターホンが鳴る。

そこから搬送されて処置をされている間、仕事中の山田に何度も電話をかけていた。

やっと大ちゃんも、自分も落ち着いたのは山田が来る数時間前のこと。

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