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Le passé de Kei
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俺が倒れてから3ヶ月がたった。
仕事では人に頼れるようになって。
他の人からも「伊野尾先生、変わりましたね。」って言われることも増えた。
臨床心理士の方にも「伊野尾先生、顔色良くなってよかったです…！」なんてホッとした顔で言われたから少し驚く。
「伊野尾先生〜！？大貴くん、次の診察ずらしたいらしくて。松本先生も呼んでます。仕事多すぎませんか？」
「舞さん質問多すぎ。」
「いやだって……」
「大丈夫だよ！松本先生のとこ行ってから大ちゃんのことやってくるね。」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「あ、？伊野尾？」
「そうです… 仮眠中でしたか？すいません。」
「いや、大丈夫。それでね、話したいことがあるんだ。」
「…？」
「俺、来月からカナダの病院に行くことになったんだ。だからもう伊野尾のそばに居れなくてさ。こんな形になっちゃって本当にごめんね。」
「らい、げつ…？」
「そう。」
「俺、松本先生のおかげで変われて、もっと一緒に居たかった。ずっと俺のことを育ててほしかった。…でも、松本先生も医者です。俺のことは忘れて、カナダに渡ってください。」
「いいや？伊野尾のことは忘れないよ？俺は伊野尾が信用してくれた一人目だからね。」
「…！！松本先生、おれ、本当は悲しいです。」
「そっか。」
「でも、松本先生に出会えたことにすごく、すごく感謝しています。」
「その感謝は、大貴くんにしてほしいなぁ」
「え？」
「大貴くんがいなければ、俺は伊野尾と出会わなかった。伊野尾も俺と出会わなかった。だから、俺は大貴くんに感謝してる。伊野尾、お前はもう立派な精神科医だ。」
「あり、……ありがと、ございます……！」
最後は泣いてしまって、松本先生が慰めてくれた。
俺は大ちゃんに感謝してる。
だって俺を変えてくれるきっかけを作ってくれたのは大ちゃんだから。
そんなこと、大ちゃんは知ってるのかな、なんて。
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作者名：きゃらめるらて | 作成日時：2020年9月21日 22時
