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Le passé de Kei
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母さんの葬儀までどうやってやったのか覚えていない。
でも、気がついたら葬儀も終わって高校も卒業して。
平成大の入学式が終わっていた。
でも、平成大に入ってからも俺の生活は変わらない。
むしろ、みんなから気味悪がられた。
成績はいつもトップ。
医療の知識もみんなの倍。
嫌われる要因なんて大したものじゃない。
信用してた友達からも嫌がらせをされることもあった。
表立ってじゃない。
影でコソコソやられるから何も言えなかった。
それと同時に、どうしようもない虚無感が俺を襲って来たのも事実。
友達に裏切られたことは俺にとって今でもトラウマ。
友達がいないから、卒業して早く病院で働きたいと思っていた。
当時仲の良かった先生からは「もっと頼ってほしい。」そう言われていたけど、人に頼ることを知らない俺にはそれができなかった。
人に頼ることを知ったのは、この病院……
つまり、鈴蘭総合病院の精神科医として働き始めてから。
大ちゃんは、俺の初めての担当患者。
今より更に小さかった大ちゃんがここに来たのは確か6年前だったか。
その時の大ちゃんは、まだ心を開いてくれなくて俺に対して何も話してくれない子だった。
ただ、山田から教えてもらった情報からは家庭内で暴力を受けていたということ。
俺の母さんと同じだった。
だからこそ、一つだけ思ったことがある。
"大ちゃんを救いたい。"
……でも、どうやって？
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作者名：きゃらめるらて | 作成日時：2020年9月21日 22時
