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＊ ページ37
Le passé de Kei
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俺が医者をめざし始めたのは高校1年の頃。
近所に住んでた女の子が心臓病で亡くなったって言われて。
高校ではまわりに馴染めなくて友達もいない。
だから小さい頃に少し一緒に遊んでくれたその子のことは覚えていた。
いつも明るくて笑顔。根暗な俺とは大違い。
いつしかそんなあの子を救えたら…そんなことを思っていた。
そしてそんな時から父親から母親へのDVがあった…と思う。
“思う”というのは記憶が曖昧だから。
暴力は日常茶飯事だったし、そんな父親に母親が｢ごめんなさい｣と謝るのも常だった。
心臓病だった彼女の葬儀にも行けずに、ただ父親から逃げるようにその町から去ったのが高一の冬。
何もかも捨てて。
新しい町ではバイトをしながら私立の全日制に通った。
母親は精神科にかかりながらも少しづつアルバイトを始めて。
やっと前の生活が戻ってきた……そう思っていたのは俺だけだったのかもしれない。
今思えば、俺の生活には“お医者さん“が必要不可欠になっていた。
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作者名：きゃらめるらて | 作成日時：2020年9月21日 22時
