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#検査の前に。 ページ36
Kei side
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｢けーんさー｣
｢伊野尾くん絶対嫌でしょ…｣
｢大ちゃんね、検査嫌ってるもん。だから俺は大ちゃんへの検査をすると心が痛くて痛くて…｣
｢あーーもう大丈夫です、！｣
笑ってはくれたけど高木だって気がついてる。
｢大ちゃんは頑張ってるよね。｣
｢もちろん。伊野尾くんも大貴くんも頑張ってるよ。｣
｢そう、だよね。｣
俺の心が弱くてどうするんだよ。
｢やる。大ちゃんが頑張ってるなら俺も頑張らなきゃ。｣
｢そんな頑張らなくても伊野尾くんの頑張りは伝わってると思うよ？｣
高木の言葉が俺の心を少し軽くしてくれた気がした。
………最近誰かに助けてもらうことが増えてる気がする。
前まではこんなに誰かに助けられることなんて無かった。
いや、誰かに助けられることを拒んでたんだ。
誰からの助けも貰わずに1人で過ごす。
病院に勤務してたってそれは変わらなかった。
そんな俺を変えてくれたのは………
紛れもなく大ちゃんだ。
｢ねえ高木。俺の過去の話してもいい？｣
｢んー？どうしたの？別にいいけど…｣
｢気分だよ、気分。でもなんか今を逃すと誰にも話さなそうだし聞いてよ。｣
｢大貴くんの検査は？｣
｢まぁ少しで終わるから。…ね？｣
コクリと高木が頷いたのをみて、話し始めた。
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作者名：きゃらめるらて | 作成日時：2020年9月21日 22時
