Fleur d'oranger (ページ31)

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Kei side
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「だいちゃんね、ままはすき。」

「…？うん？」

「でもね、痛いことするままはきらいなの。ままっ…すきっなのにっ…！！」

「そうだねぇー」

泣いてる大ちゃんは前よりもずっと小さくなったように見える。

「ん…？ここ、噛んだ？」

「あ、そこね…噛んじゃったの。」

「今度は噛まないように気をつけようね。」

「でもっ、」

「痛かったでしょ？」

「ぅん、、、」

「また次、気をつけられれば大丈夫だからね。」

左腕についた噛み跡は少し赤くなってきていた。

「伊野ちゃーん、大ちゃんの薬…」

「あ、圭人ありがと。すぐ打っちゃいたいから固定してくれる？」

「分かった。」

そのまま大ちゃんを圭人の膝の上に移して動かないように山田と協力してもらう。

「こう？」

「もうちょい大ちゃんにこれが見えないようにして！」

「いのちゃん？」

「んー？大丈夫だよ。今からお薬使うだけ。いつも使ってないやつだけど、すぐ終わるからね。山田のほう向いてな。辛かったら声出しても良いからね。」

「…？わかった、」

注射が嫌いな大ちゃんに打つのは結構大変。

でも、ここで薬を使わないと辛いのは大ちゃんだから。

「じゃあ始めるからね。深呼吸してみてー？」

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