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Kei side
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山田がハグをしようとした瞬間。
パシッという乾いた音が響いた。
｢やめて…！！こないで！！！｣
「大ちゃん…？」
「こな、、で…」
「どうして…」
大ちゃんは山田さえも怖がっていて。
「大ちゃん、俺だよ？涼介だよ？」
「ちが、、、も、こないで…！」
山田が目線を合わせようとしゃがんでもいやいやと首を横に振りながら抵抗している。
「薬！！山田、持ってくるから待ってて。落ち着かせないと。」
「分かった。」
俺が焦ってどうするんだよ。
怖いのは…
一番怖いのは大ちゃんなはずなのに。
「圭人！！薬、オーダーして。この前使ったやつ。」
「ちょ、伊野ちゃんどうしたの… ってまず大ちゃんだよね？薬オーダーしてくる！！！」
ハァハァと荒れる息を整える。
「あ、伊野尾先生ー！先日の山田大貴くんのカウンセリングでお話が…」
「え？どういうこと？大ちゃんについて？」
「はい。…結構、対人恐怖が増してる感じがして。あと、入院してることも嫌じゃないけど少しストレスになってるみたい。」
「え、だってこの前のカウンセリングでは変化なしだったんじゃ…？」
そう。カウンセリングも重ねているのに対人恐怖が増してるなんて信じられなかった。
「大ちゃんのことについては処置した後に詳しく聞かせてください。」
「もちろん、そのつもりでいます。大貴くんには少しリハビリもしてもらいましょう。」
大ちゃんのこと、全部分かってるつもりで分かってなかった…
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作者名：きゃらめるらて | 作成日時：2020年9月21日 22時
