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Ryosuke side
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「んー？も、朝かぁ」
ソファーで眠ってしまったから腰が痛い。
窓の外では昨日よりも更に強く雨が降っている。
大貴くんを見に寝室へ向かうとまだぐっすりと眠っていた。
病院に行くため、早めに起こそうとゆっくりと声をかける。
「大貴くーん？朝だよー！」
「んぅ…？ま、まぁ…！！！」
「違うよ。俺は大貴くんのお母さんじゃ…」
「ごめ、ごめんなさい！！」
ガバっと起き上がって怯えた表情を浮かべる。
「おしおき、されても、もんく、いいません、…」
「大貴くん…？」
「…？」
昨日みたいにぎゅっと抱きしめると不思議そうな顔で胸に顔をうずめてくる。
しばらく抱きしめると大貴くんが口を開いた。
「ぁめ。あめこわいの。あめね、ままきらいなの。ままね、あめのひ、いたいことするの。だいちゃん、ままのことすきなのに。」
「……」
なんて返していいのか分からない。
そうしている間にさらにぎゅっと腕が背中に回される。
「だいちゃん、ままのこと、すき、、」
「いたいこと、してくるのにね、ままね、だいちゃんにすきって、いってくれる…」
「大貴くん……」
「りょおすけ、だいちゃんすき。」
「ぇ？」
「きのう、りょおすけ、やさしかった。」
「…大貴くん、今日病院だからお着替えしてご飯食べよっか？」
「うん…」
それなりに落ち着いたのか俺から離れてリビングまで歩いていった。でも、その足取りは昨日よりもゆっくりで。
まるで俺のことを待っているようだった。
追いついてから手を繋ぐと、それに安心したのかずっと傍にいる。
病院に行くまでも俺から少しも離れようとしない。
大ちゃんはきっと、今でも雨になるとお母さんを思い出しそうになる。
それが乗り越えられるまで、俺はずっと大ちゃんを支えていきたい。
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作者名：きゃらめるらて | 作成日時：2020年9月21日 22時
