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Ryosuke side
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「大貴くん！？」
驚いたことに大ちゃんはリビングの中で何かを探していた。
「だいちゃんねぇ、わるいこ。」
「？？」
「ままにおこられちゃう、」
「え、？」
「…… だいちゃんのおうちにかえらなきゃ」
「何言ってるの！！大貴くんのお家はここだよ？」
「まま、いないの！！！だいちゃんがままのとこにいないとだめなの！！」
「大貴くん…！」
知らなかった。
俺は何も知らなかったんだ。
大ちゃんが何に苦しんでいたのか、そしてそれが今でもどれほど大ちゃんを苦しめていたのか…
「大貴くん、今日はお兄さんと一緒にいよう？」
「…？」
「お兄さんね、大貴くんと一緒にいたんだ…」
「だ、れぇ？」
「ん？俺の名前？」
「そ……」
「涼介。りょ、う、す、け、だよ。」
「りょ、おすけ…」
そのまま膝をついて大ちゃんに向かって腕を伸ばせばゆっくりとこっちに向かって歩いてくる。
そのままぎゅっと抱きしめていると、大ちゃんは俺の腕の中で眠ってしまった。
大ちゃんをベッドに寝かせてから、散らかったリビングに戻る。
「これ……」
大ちゃんが引っ張り出したものの中に写真が入っていて。
写真は親族が集合したときに撮ったもの。その中にはもちろん、大ちゃんの母親も写っている。
思い出させちゃったんだ。
その日は大ちゃんのお母さんが写っている写真を見つけてまとめて自分の部屋の棚に隠してから眠りについた。
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作者名：きゃらめるらて | 作成日時：2020年9月21日 22時
