☆ ページ6
Ryosuke side
外来に来てから早1時間。今日は全然人も来なくて暇を持て余している。
…大ちゃんのことが気になって仕方ないから好都合なんだけどね。今日は院内学級に行けたみたいだけど、体調不良で行けてない日のが多いし友達って呼べる子もいない。
歳が近い子がいたらなぁ…
そういえば伊野ちゃん、ICUの知念くんのこと看てくれたかな。
知念くんも大ちゃんと同じ心臓病。
歳は…17歳だから、1つ知念くんのが上なんだよね。
大ちゃんは16歳。学校にもあんまり行けなかったから友達も居ないだろうし、知念くんに会わせてあげたいな。1つくらいならそんなに気にならないだろうし、大ちゃんに今までには無い新しい刺激を与えられる。
今まで病院のスタッフ以外と関わりが持てなかったに等しい大ちゃん。ご両親とも良好な関係は築けていない。
そもそも大ちゃんのご両親は大ちゃんと顔を合わせようともしないし。
2人とも大ちゃんのこと嫌ってるように見えるけど、治療費はちゃんと出してくれるから下手に出れないしなぁ。
ご両親が少し大ちゃん会いに行ってあげるだけでも元気に繋がると思うんだよね。
なんて考えていたらピピピ……とPHSが鳴った。
「はい、山田です。」
「山田、ICUの知念侑李くんの容態が急変した…」
「すぐ行く!」
俺を呼んだのは伊野ちゃんだったみたい。《急変》ってことは長丁場になるかもしれない。
だとしたら大ちゃんを気にかけることもできなくなっちゃうけど、俺は医者だから。
大ちゃんが今、元気なら知念くんのところに行かなきゃ…!!
離れたICUまで走る。本当は走っちゃダメだけど、そんなの気にしていられない。
「伊野ちゃん!知念くんどんな感じ!?」
目の前には『はぁはぁ、、、ん、、はぁ、ん、、』と荒い呼吸を繰り返す知念くん。
「発作起こして、意識レベルも下がってる。」
『知念くん、聞こえる?聞こえてたら手、握れるかな??』そう声をかければ弱々しくも握ってくれた。
「挿管して処置室行こう。ベッドごといける?」
「了解、空いてるから行けるよ。」
このまま開胸しなきゃ知念くんはきっと救えない。
今までで1番と言っていいほど緊張するけど、“救いたいから。"
その一心で処置室に入った。
……………………
知念くんの手術は、無事に終了した。
11時から13時までかかった大きな手術だったけど、術後の容体は安定していてICUに入っていった知念くんをガラス越しに眺めた。
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き ゃ ら め る ら て(プロフ) - ありやまさん» 続き等は今の所、Twitterでしか出さない予定です…! 今まで読んでくださりありがとうございましたm(__)m (2020年8月2日 22時) (レス) id: 858ad416cc (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるらて(プロフ) - ありやまさん» 新作はまだ公開していません…(_ _*) 公開したら最後のあとがきに追記します! (2020年8月2日 22時) (レス) id: fa11273986 (このIDを非表示/違反報告)
ありやま(プロフ) - もう一つの小説の題名教えてもらってもいいですか? (2020年8月2日 22時) (レス) id: a5983d19de (このIDを非表示/違反報告)
ありやま(プロフ) - 面白かったです!もし続きが出るなら楽しみにしてます! (2020年8月2日 22時) (レス) id: a5983d19de (このIDを非表示/違反報告)
めう(プロフ) - ココミさん» いえいえ!期待に応えられるように頑張ります(_ _) (2020年7月6日 21時) (レス) id: fa11273986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゃらめるらて | 作成日時:2020年6月6日 16時