Good Life...?

☆ ページ44

Ryosuke side






｢伊野ちゃんー！どの物件がいいかな？ここ？それともここ？｣

｢自分で決めてくださーい｣

｢ねぇ意見くらい聞かせてよ！｣

｢仕事中ですよ、山田せ・ん・せ・い！｣

｢いいじゃん、人いないし｣

｢えー、もう怒られたら山田のせいだからね？｣

｢はいはい。で、どこがいいと思う？｣

｢まあ…こことか？大ちゃんの部屋も必要になるでしょ。｣

｢ここいいよね！病院まで近いし。｣

｢はいもうおしまーい！俺戻るからー！｣



そう、今まで住んでた家が狭いから引越しをすることにした。

大ちゃんの部屋をどうしても作れないからっていう理由もある。

1人なら大丈夫だけど2人だと少し狭いって伊野ちゃんに言われたし。


そこから見つけてきたのがここ“平成病院"から徒歩10分のとこにある分譲住宅。


一人暮らしをしていて物欲も少なく、貯蓄もそれなりにあるから買ってもいいかな〜なんて思っていた。

まあ大ちゃんと住むなら少し広めでもいいかな、なんてね。


｢山田ー、大ちゃんリハビリ終わった頃じゃない？｣


｢そうじゃん、行かなきゃ！ありがとね、伊野ちゃん！｣



そう言って大ちゃんがいるリハビリステーションまで歩く。




｢あ、涼介！今日の終わった！｣

｢そっかそっか。どう？変な感じする？｣

｢んー、なんか左の胸のが若干重い。｣

｢まあそれは慣れるまで仕方ないね…他には？｣

｢無いよ！｣


そういった大ちゃんの頭を撫でる。

点滴スタンドも無いし、車椅子でも無い。


きっと病院着を来ていなければ普通の高校生。


リハビリも順調らしく、早くて2週間後には退院できるらしい。


｢あ、大ちゃん。来週外出許可取ったからね。お出かけしよう？｣

｢どこ行くの…？｣

｢まぁ、役所と洋服買いに行こうかなって。一緒に暮らすための準備ね。｣

｢電車乗る？｣

｢ちょっとだけね。人多いかもだから俺が運転して車で行く？｣

｢うーん…車で行く…｣



大ちゃんは病院で過ごした期間が長くて沢山の人がいる場所が苦手。

きっと慣れれば大丈夫なんだろうけど、余計な負担もかけたくないし車で行くことにした。






｢はい、じゃあ大ちゃんまた明日ね。｣

そう言って大ちゃんを部屋に送ってナースステーションに戻る。




｢山田さーん、有岡くんの心臓心配無いみたいです。｣

｢あ、ありがとう。｣


CT撮っても異常なし。

これでリハビリが上手く行けば退院…






山田涼介、大切なことを忘れていました…






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