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Ryosuke side






「大ちゃんー、そろそろ時間。」

「はーい。」



今日は手術の日。

緊張気味の大ちゃんを車椅子に乗せて移動する。


「大丈夫だからね。」

「涼介、成功させてね。」



ベッドに横になってもらったとこでスタート。


「大ちゃん、心電図つけるね。」


緊張してるのかコクコクと頷くだけ。


「ではこれから、永久ペースメーカーの埋め込み手術を始めます。」



この手術、局所麻酔で注射だから大ちゃんも嫌がると思うんだけど…


「大ちゃん、チクってするよー」

「んん、いたっ」


「ごめんごめん、でももうちょっと我慢ね。」



広範囲にわたって麻酔しなきゃいけないから、大ちゃんには我慢してもらう。
看護師さんの手をギュッと握ってるのが分かる。


「ここ痛い?」

痛くない、と顔を横にふる。

「はい、もう注射おしまい。」


ふにゃっと緊張が溶けたのが分かった。


「電気メス。」



そこから大ちゃんのペースメーカーの埋め込みが始まった。



…途中までは順調。


ペースメーカーは埋め込めて、動かしたところからが大変だった。



「ペースメーカー動かして。」


俺の一声でペースメーカーが動き出す。


ピッ、ピッ、ピッ、と音がなる。


「次、自脈。」



ピッ、ピッ、ピッ、と途中までは鳴ってくれてたけど…




突然なりやむ心電図の音。






「大ちゃん、息吸って!」


必死に呼びかけて息を吸わせる。

数秒でも心臓が止まるのは危ない。




「ごめんね、怖かったね。」




ちょっと泣き出した大ちゃんを落ち着かせる。


心臓が止まったことなんか無かったから怖かっただろうな。


ごめんね、大ちゃん…





原因はリード線の位置だったけど、全然位置が定まらない…


ふいに“このまま大ちゃんを助けられないかも"と思ってしまった。



でも、大ちゃんを救うって決めたのは自分だから。
その一心で手を動かす。


そこから更に20分ほどしてリード線の調節が終わった。





「これでどう?ペースメーカー動かして。」



次は止まることはなく動く心臓。自脈でも大丈夫だった。




ペースメーカーを入れている場所を閉じる。






傷口を縫合しながらやっと終わったんだ、そう思った。


縫合した後にどっと疲労感が押し寄せてくる。




気持ちの良い疲れ。




これで少しでも…大ちゃんが楽になれたらいいな。









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き ゃ ら め る ら て(プロフ) - ありやまさん» 続き等は今の所、Twitterでしか出さない予定です…! 今まで読んでくださりありがとうございましたm(__)m (2020年8月2日 22時) (レス) id: 858ad416cc (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるらて(プロフ) - ありやまさん» 新作はまだ公開していません…(_ _*) 公開したら最後のあとがきに追記します! (2020年8月2日 22時) (レス) id: fa11273986 (このIDを非表示/違反報告)
ありやま(プロフ) - もう一つの小説の題名教えてもらってもいいですか? (2020年8月2日 22時) (レス) id: a5983d19de (このIDを非表示/違反報告)
ありやま(プロフ) - 面白かったです!もし続きが出るなら楽しみにしてます! (2020年8月2日 22時) (レス) id: a5983d19de (このIDを非表示/違反報告)
めう(プロフ) - ココミさん» いえいえ!期待に応えられるように頑張ります(_ _) (2020年7月6日 21時) (レス) id: fa11273986 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きゃらめるらて | 作成日時:2020年6月6日 16時

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