☆ ページ38
Kei side
山田のデスクに書類を置きに行く。
「ん、なんだこれ?」
山田のデスクの上にあった書類。
「養子…?」
まさか…大ちゃんを養子にもらうのか?
それで大ちゃんが幸せなら嬉しいけど。
「あ、伊野ちゃん?」
仮眠室から帰ってきた山田に名前を呼ばれる。
「山田、養子もらうの?」
「もしかしたら、ね。」
「それで大ちゃんは幸せになれるの?」
「え、?」
「あのさ、あんなにお母さんのことを好きだったんだよ?」
「で?どっちみちあの環境なら手術した後も家に帰せないでしょ。」
「何?大ちゃんの気持ちは無視なの!?」
ドンッと机を叩きながら山田に詰め寄る。山田の冷静な態度が逆に癪に障った。
「別に。大ちゃんの気持ちも聞くから。」
「大ちゃんは…お母さんを待ってるんだよ…!?」
「だから!!あの環境の家に帰してどうするの?虐待されたらどうするの?だったら…違う環境で育てるしか無いでしょ。大ちゃんも分かってるんだよ。自分が母親に必要とされてないことくらい。」
山田の言ってることは、分かる。
自分の意見と違うからって突っかかってしまった。
でも山田は冷静で。
大声を出している自分が惨めだった。
「…伊野ちゃん、伊野ちゃんは反対なんだよね。ごめんね。やっぱやめるわ。」
「、、、…そんなこと、ないけど。でも、大ちゃんの幸せが分かんない…!」
「俺も分かんないよ。大ちゃん以外分かんない。だけど、あの家族に帰したら…きっと大ちゃんはもっと苦しんじゃう。」
「ごめん、山田。俺、勝手に怒ってさ。」
「ううん、気にしてないよ。」
「でも、ほんっとごめん。」
「もういいって。」
ふわっと笑う山田はちょっと悲しそうだった。
「もし大ちゃんが山田の養子になったら…幸せになれると良いね。」
「うん。あ!伊野ちゃん!ペースメーカーの説明!!」
「やばっ!忘れてたわ…今から行こ!?」
ときにはぶつかり合うかもしれないけど…
きっとこんな関係を築けるのは山田だけだから。
大ちゃんの幸せも、共有できたらなって。
そう思うんだ。
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き ゃ ら め る ら て(プロフ) - ありやまさん» 続き等は今の所、Twitterでしか出さない予定です…! 今まで読んでくださりありがとうございましたm(__)m (2020年8月2日 22時) (レス) id: 858ad416cc (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるらて(プロフ) - ありやまさん» 新作はまだ公開していません…(_ _*) 公開したら最後のあとがきに追記します! (2020年8月2日 22時) (レス) id: fa11273986 (このIDを非表示/違反報告)
ありやま(プロフ) - もう一つの小説の題名教えてもらってもいいですか? (2020年8月2日 22時) (レス) id: a5983d19de (このIDを非表示/違反報告)
ありやま(プロフ) - 面白かったです!もし続きが出るなら楽しみにしてます! (2020年8月2日 22時) (レス) id: a5983d19de (このIDを非表示/違反報告)
めう(プロフ) - ココミさん» いえいえ!期待に応えられるように頑張ります(_ _) (2020年7月6日 21時) (レス) id: fa11273986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゃらめるらて | 作成日時:2020年6月6日 16時