Good Life...?

☆ ページ21

Ryosuke side





血圧は少し下がり気味。危険なラインまで行ったら昇圧剤を入れよう。


呼吸抑制にはなってないけど、苦しそうだったら酸素入れたほうがいいかな…



鎮静剤のおかげでここまで深く眠れてるけど、起きたときにまた暴れるかもしれない。

そしたら…


また薬を使えばいいの？
抑制したほうがいいのかもしれない。


薬を使えば静かにしてくれる。


けど、さっき無理矢理注射してしまったから恐怖心が生まれてしまったかもしれない…




大ちゃんはあんなに大声を出して暴れる子だった…？




俺は医者の中でもまだ若い方で。

大ちゃんの担当になってから少ししか経っていない。

その前の担当医は、優秀な方だった。研修医としてその先生の下についていた俺は、その腕を間近でみてきた。


俺に大ちゃんを守れるかなんてわからなかったけど、その先生に推されて担当医になっている。

担当医になる前からその先生に"笑顔が可愛い男の子"がいるとは聞いていた。いつも静かでルールをきちんと理解してくれる子だって。




…そんな大ちゃんが叫んで、暴れていた光景はショックだった。


一体何が大ちゃんをこんな風にしてしまったかなんて分からないけど。
間違いなく両親が関わっている。






大ちゃんの為だって思ってやってきたこと。

でもそれはきっと、大ちゃんを苦しめている。



今日だって両親に会わせなければ無理矢理抑えつけなくて済んだのに。



「大ちゃん、今日はごめんね。」






眠っている大ちゃんにそう言うことしかできない俺は…





やっぱり弱いんだ。









.

☆→←☆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す