君に愛の衝撃を！【d!】 (ページ9)

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突然の電話ページ9

『ん、んん……ふぁあ…朝かぁ…』

昨日の晩に刺激的な娯楽を届けた後、家に戻ってすぐ眠ってしまったようだ。
随分眠っていたようで、鳥の鳴く声が聴こえる。
布団からよっこらせ。と起き上がり朝ご飯の用意を始める。テレビをつけると、昨日のイタズラが大々的に報道されていた。
いい香りのするお茶を啜りながらテレビの報道を眺める。

【彼らの目的は何なのか、未だ不明です。街の人の声は＿】

『……つまんね』

ぷちっとテレビを消して、トースターの前に陣取り、焼けたパンにバターを適当に塗って頬張る。
お茶で朝ご飯を流し込んだその時、ジリリリとけたたましく電話が鳴った。
受話器を手に取り、すぐに応える。

『はい、萬屋ですー。何のご依頼ですか？』

「………」

『あれ？もしもし？』

「……・ー・・ー・ーー・・・ー」

『！すみません。お電話が遠いようなのでもう一度お願い致します』

トントン、ツーと電話の向こうから規則的な電子音が聞こえる。
モールス信号だ。
聞き取りながら必死で解読を始める。

「・ー・・ー・ーー・・・ー」

ナイツウ

内通…

「ー・ー・・ーー・・ー・ー・・
・ーー・ー・ー・ーーー・・ー・ーー・」

キヨウカイニテマツ

教会にて待つ…

『…かしこまりました。すぐに向かいます』

かちゃりと電話が切れた。
内通、教会にて待つ。
教会…内通者…
心当たりが一人だけあった。

『あの人かぁ…苦手なんだよなぁ…』

仕方ない。と思いながら着替え、手土産代わりに甘いものでも買っていこうと考えながら荷物を持ち、玄関のドアを開けた。
道に出るとあちこちから声をかけられる。

「あら、おはよう萬屋さん。」

『あ！佐藤さんおはようございます〜』

「萬屋さん。またうちの子の家庭教師頼めるかしら…あの子ったら学校より萬屋さんの授業の方が面白い！って聞かないのよ…」

『あはは。光栄ですね。ご依頼お待ちしております！』

「おぉ！萬屋さん！今日は今季初の秋刀魚が入ってるよ！後で買いに来な！安くしとくよ！」

『マジで！？おっちゃん大好き！！ありがとう！！』

「じゃあ大根もとっておくね！今日は良い林檎も入ってるんだけど…」

『八百屋さん！林檎1つください。お友達への手土産にしたいんです！』

「お！じゃあ林檎もう1つオマケしとこうね！最近物騒だから気をつけて行くんだよ！」

『ありがとうございます！』

林檎を鞄の中に入れ、教会へと向かう。