逃走開始！ ページ8
そのまま暫くスケートを皆で楽しんでいると突然あたりが赤色のランプで照らされ、警告音が鳴り響いた。
『んぇ…もしかして…』
いや、もしかしなくても…
「我々怪盗団だな！？建造物侵入と器物破損の容疑で現行犯逮捕する！！」
『うぉ。バレた、サーチライトめっちゃ眩しいんだけど！目ぇ痛っ！』
「言ってる場合か！？さっさと逃げるぞA！」
シャオロンに手を引かれ走り出す。
何十人もの警察が私達を追ってくる。
「ここは…俺の出番やな？…小麦粉はこう使うんやで？くらえ！煙幕！」
ロボロが逃げながら後ろに煙幕をぶん投げる。
小麦粉は吸うと咳も暫く止まらないだろう
『うっわめっちゃ咳き込んでる。そんな貴方に鈍足ポーションぽーい』
後ろでパリンと割れる音がして警察の足音が遠くなる。
「あーっはっはっは！！！A最高やな！」
「軽いノリでトドメ刺さんであげなwww警察の人が可哀想やろwwwシッマも笑ってやるなやwww」
そう言いながら鬱も爆笑していた。
出口に向かってまっすぐ進むと、出口の扉が閉まっていた。
「ここは俺の出番だなぁ！任せとけよ！」
シャオロンが鍵開けの用具を使ってカチャカチャと作業を始める。
ものの数秒で鍵は彼の手によって破られた。
外に脱出すると目の前にパトカーが1台。
運転手をポーションで気絶させ奪い取る。
『乗りな！飛ばすよ！』
「Aさんカッコ良！」「よっ男前！」
ショッピとエミさんから褒め言葉が飛ぶ。
よせやい。と照れながら全員が乗ったことを確認し、ドアロックを閉める。
「Aちゃん。車の運転できたんやな」
『まぁ萬屋で使うし？一定はできますとも。…でもさ？こういう事っていつもは出来ないわけじゃん？』
不敵に笑った私を訝しんだのか、皆が心配そうな顔をする。
アクセルを力いっぱい踏み、ハンドルを切る。
慣性の力で私以外が色んな所に顔や身体をぶつけた。
『真夜中のカーチェイス…燃えるよね！トップスピードで振り切るよ！』
「コイツ運転させたらアカンタイプの人間や…」
『失礼だなトントン。いつもは法定速度守ってるよ』
「今回は？」
『…毒食らわば皿までって言葉あるじゃん？つまりそういう事』
「やっちゃったらもっと犯罪やってしまえって言葉じゃ無いんだよあれは！」
『あは〜聞こえないにゃあ』
サイレンが響く夜の中、全員をトップスピードで送り届け、パトカーを適当な場所に返し、私も家に帰って寝ることにした。
次は、どんな娯楽を届けようか
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作者名：一 | 作成日時：2022年12月14日 12時
