君に愛の衝撃を！【d!】 (ページ7)

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陰キャに優しくなくなったこの町。
生きづらさを抱えたままなのは何も男性に限った話ではない。

『女の子だってこうやって破天荒に生きてもいいんだよ。どんな服を着ても、派手な事をやっても。例え性別が違ったとしても、男でも女でも、好きな服を着て、ド派手に生きたっていいじゃないか』

それを訴える為に私は怪盗に成った。
内通者も自ら志願し、昔から得意な薬の調合を生かして遂に怪盗団として仲間と肩を並べられるようになった。
少しは、誰かの心に届いているだろうか

『…さ！エミさん。次は何やろうか！』

「そうですね…さっきそっちで皆さんが…」「Aー！！エミさーん！こっち来てやー！」

ゾムが大声で私達を呼ぶ、何事かと行ってみれば
先程のミラーボールを設置した所に皆が風船やら紙吹雪やらをばら撒いていた。

『ちょおwwwパリピすぎんwww？』

「これが次世代のパリピミュージアムや！」

『パリピwwwミュージアムwww』

「娯楽禁止のこの町に新たな名物やなwww」

思った以上にクラブハウスのような空気感になった展示室を見て全員が腹を抱えて爆笑する。

『あ〜お腹痛い……』

「は〜…ド派手にやったなぁ…」

コネシマも笑いすぎて出た涙を拭っていた。

「でも、もうちょいやりたい感ない？」

ロボロが少し考えている。
私もなにかできないかと頭をひねる。
数秒後、とあるイタズラを思いついた

『！そうだ！アレ使おう！ちょっと待ってて』

博物館の中にある掃除用具があった部屋。
その中に一際目立つ容器があった。
私のカンが正しければ…
容器の蓋を開け、匂いを嗅ぐ。

『ビンゴ！』

容器を抱え、展示室へと走る。

『おまたせ！』

「？Aなんやそれ」

『ふふ、これね。ワックスだよ』

その一言で何人かは理解したらしい。

「A。ワックスなんて何に使うんや？」

『まぁまぁシャオロン。見ててよ。』

容器の蓋を開け、入口付近の展示室にワックスをぶちまける。

あっという間にワックスは部屋の隅々まで行き渡り、床がテカテカに光る。
そっと足を床におろし、思いっきり地面を蹴る。
風が頬を撫でた。

『じゃーん。簡易スケートリンク場の完成ー』

ドヤ顔で皆の方を見ると何人かが目を輝かせていた。

『皆おいで！これ楽しいよ！』

その声で皆がこちら側でスケートを始める。
学生時代、友達と行けなかったスケート。
大人になった今、青春を取り戻すように皆と笑い合いながら心ゆくまで遊んだ。