君に愛の衝撃を！【d!】 (ページ49)

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選んだのは…紫ページ49

予告時間ぴったりに、家中の電気が落ちた。
ブレーカーをあげても何も反応しない。カチカチと上げ下げしていると後ろから声をかけられた。

「無駄っすよ。大元から止めさせてもらいましたから」

振り返ると近くに鈍く光を反射させたゴーグルがこちらを覗いていた。

『びっっっくりした…ショッピくん。怖いからやめてよ…』

「あ、すいません」

ゴーグルを外した彼がこちらへ近づき、マントの中にすっぽりと抱きしめられた。

「…抵抗、しないんすね」

『うん。盗んでくれる？』

「えぇ、勿論。とりあえずここから出ましょ。話は帰りながら聞きます」

抱きしめられたまま、彼が夜の闇に飛び込む。

『重くない？腕折れない？』

「…ワイの事を何だと思ってるんすか…むしろ軽いっすね。もっと食べてください」

『それだけはショッピくんに言われたくなかったなぁ』

「Aさんが美味しい料理作ってくれるんすよね？」

『…敬語、外してくれないの？』

「なら俺もそういうふうに受け取りますよ」

『ショッピ』

「A。どした？」

タメ口と、いつものさん付けと敬語がないだけでこんなにもドキドキしてしまうものなのか。

『駄目だこれ、刺激強い』

思わず両手で顔を覆った。顔があつい。

「顔真っ赤でかわええ。慣れてもらわんと困るなぁ」

もう二度と、彼を可愛い後輩扱いなどできやしないのだと。そうわからされたような気がした。