紫色の狩人 ページ37
真っ直ぐとこちらを見据えた水色の瞳は全くといっていい程揺るがない。
もはや吸い込まれそうで怖くなるほど。
強い語気なのに、こちらに逃げ道を与えてくるような話しぶり。
…狂信者ができるのも納得できるな。
『うん、きちんと結論は、出すよ。必ず。』
「…おん。頼んだで！」
じゃあ俺早速行ってくるわ！と絵画の方へ駆けていく背中を見送り、その場に座り込んだ。頬を抑えながら、呼吸を整える。
『おし。やれる』
呼吸を整えてから、計画していたイタズラのために歩き出した。
向かう先は、彫刻や銅像の置かれた部屋。
「あ、Aさん」
『ん？ショッピくんか』
声の方を覗いてみるとショッピくんが座ってなにやら作業をしていた。
「丁度良かった。これ見てって下さいよ。」
そう言ってショッピくんが取り出したのはエミさんの顔の仮面を被せられた埴輪だった。しかもそれが後ろにずらっと50体ほど並んでいる。
『っ……ふっ…あっはっはっはwwwちょ、おなかいたいwwwしんどwww』
その光景に私の腹筋は耐えられるはずもなくあっという間に白旗を上げた。
「凄くないっすか、これワイが作ったんすよ」
『何その無駄に無駄のない洗練された無駄な努力はwww』
「ちなみにこれを作るためだけに昨日徹夜しました！」
『なにしてんのショッピくんwww凄いけどさぁwww』
あ〜笑った。と笑いすぎて出た涙を拭ってショッピくんの方を見る。
「…やっぱ、アンタはそうやって太陽みたいに笑ってる方が似合いますよ。」
ふ。とキレイな顔で笑いかけられる。
「…クソ先輩やら、他の人に何言われたかは知りませんし知りたくないですけど。あの人達に見せつけてやりたいんすよ。」
顔をきゅっと大きな手で掴まれてほっぺをもにもにとされる。
「…あの人達には到底適うはずもない、でも俺だってやるときゃやります。持てる情報全部使ってでも勝ってやりますよ。」
『し、ショッピくん』
「くん付けしないでください。弟的な立場じゃなくて、目の前の俺は貴女を女として見る獣のような男ですよ。」
ぎらっと光る気怠げな瞳に少し気圧されて彼の名前を紡ぐ。
『……ショッピ』
「はい、何ですかAさん」
『…さん付けは取れない？』
「その先は恋仲になってから…ですかね」
『うっわズルいなこの男』
「なんとでも言ってください〜」
ほっぺをむにむにと弄ばれながらニヤニヤと猫のように笑う彼はまさに
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作者名：一 | 作成日時：2022年12月14日 12時
