歴史館へ！ ページ27
犯行予告当日。
今回は私の家に集まってもらい、作戦会議をしていた。
「よし、んじゃ始めるで。いないやつおらんな？」
トントンがそう聞きながら顔ぶれを確認する。
「なら点呼とればええやん！点呼ぉぉ！俺！！」
コネシマが大声で点呼をする。まぁ自分自身なのだが。
「よぉし通常運転やね。コネシマおる。鬱ー？」
「おるよー」
「シャオロンー？」
「はぁい」
「ショッピくんー？」
「いますー」
「ロボロー？あれ見えへんな…アイツ遅刻か？」
「おるって！！」
「次ー。ゾム」
「ここだぜ！」
「エーミール？」
「はい！」
「んでAおるな？」
『はーい」
「よし、全員おるな。今回の作戦はこうや。まず侵入。これは3方向からやな、ゾム、ロボロ、Aはダクトから。シャオロン、鬱、コネシマ、ショッピくんは裏口から鍵開けで。俺とエーミールは一芝居打って侵入するわ。」
トントンが図面に赤ペンを走らせながら説明する。
「んで、侵入成功したらまず各地でイタズラを行う。好きにしてええよ。切り上げは警察の応援が来るか、イタズラが一通り終わったら。連絡は定期的にちゃんとせぇよ。脱出については…A。」
『ん！今回作ったポーションが脱出に使えそうだから屋上に集まって欲しいんだ。屋上から颯爽に逃げるとかカッコよくない？』
「ええなぁ！ええなぁ！楽しみやわ！」
ゾムが目を輝かせて喜ぶ。心なしかブンブン振られる尻尾が見えそうだ。
「ほな、そろそろいこか。」
鬱のその言葉に皆が立ち上がり、黒いマントを翻せば夜の闇に溶けるような装いへと変わる。
『やりますかぁ』
各々黒い装いのまま夜の街を縦横無尽に駆け回り、歴史館の方向へ向かう。
屋根から屋根へ、ぴょいと走り回る。
「なんやAさん。今日は気合入ってますねぇ。」
くるりと一回転しながら飛び移っていると、ショッピくんに話しかけられた。
『んー？今日はね、ちょっと楽しみだから。ショッピくんも、皆も、いーっぱい楽しんでもらえるくらいの娯楽を用意してきたんだよ。』
にぱっと笑ってショッピくんへ応える。
まんまるな目に満月を写したショッピくんが少し言い淀んでからふっと笑う。
「ホンマですか。Aさんがそう言う時は大体本当にすごいことするんですから。」
『あは、買いかぶり過ぎだよ。』
歴史館へとつくと先程の作戦通り3手に別れる。
『…じゃ、行こっか！』
「ゾム、道案内は任せてええんよな？」
「任せてくれぜ！」
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作者名：一 | 作成日時：2022年12月14日 12時
