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次に向かうのは病院の裏手
タバコを吸っていた休憩中のお医者さんに少し魔が差す。後ろからそーっと近づき…
『………わっ！』
「うわぁ！あーびっくりした…なんやAちゃんか…」
ほっと胸をなでおろしたお医者さんを笑いながら飴を取り出す
『タバコ、程々にね。これでも食べなよ』
「！ん、肝に銘じとくわ。…あーんしてくれたり…」
『馬鹿言ってないで早めに食べてね。』
「あぁん、ﾁｭﾒﾀｲ…」
不服そうな顔をしていたが、無視して次の場所へと足を進める。
次に来たのは証券会社。受付のお姉さんに最大限の可愛い声を出して聞く。
『…あのっ！…ここで働いている紫原の妹なんですけど…お兄ちゃんお弁当忘れてったので、お届けに来ました！』
「まぁ！紫原さんの妹さんなの？そっかぁ、今お兄さん呼んでくるからね。少し待っててくれる？」
『はい！ありがとうございます！』
数分後、奥から男が1人お姉さんに連れられて出てきた。
『お兄ちゃん！』
たたっと走って広げられた腕の中へすぽっと収まる。きゅっと抱きしめられながら会話をする。
「ん、A。お昼届けに来てくれたんやってな。妹来たって言ったら早めのお昼休憩もろたから一緒にご飯食べるか？」
『いいの！？やったぁ！』
「よし、行こか」
手を繋がれカフェテリアまで案内される。
カフェテリアに着くとあっという間に女性社員に囲まれてしまった。「かわいー！」「お菓子あげる！」「小さーい！」「ほっぺもちもちー！」
おい誰だ小さいって言ったの。
お菓子貰えるのは嬉しいがこう絡まれると面倒くさいな。しゃーない、やるか。
『ふぇ…お兄ちゃん…』
手をぎゅっと掴み、潤んだ目で怯えたように後ずさる。
「あー…この子すごく人見知りなんで、すいません。2人だけにしてもらえます？」
「そうなの？ごめんねー」「またおいでー」「ばいばーい」
絡んできてた人が全員いなくなり、カフェテリアの端っこで椅子に腰掛ける。
持ってきた弁当を押し付け、貰ったジュースのプルタブを開ける。
『はぁ…人の気にしてる所的確に言ってきよって…』
「いやぁロリにお兄ちゃんって呼ばれるの最高っすね！午後の仕事頑張れそうっすわ！」
『爽やかないい顔しやがってクソ…』
買ってきたパンを口に放りこむ。チョコ味おいしいな、感想伝えとこ。
『…そろそろ行かなきゃ。これ、おやつにあげる』
紫色の飴をそっと渡す
「！ん、ありがとな。また夜に」
『はいはい』
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作者名：一 | 作成日時：2022年12月14日 12時
