晩御飯にしようか ページ13
カセットテープが花火と化した後、皆がようやく呼吸を落ち着けた。
「はぁ…はぁ…ホンマ何考えてんのやあの人…」
『…びっくりした…シャオロンありがと』
「ん……なんかすげぇ疲れた…」
『とりあえずご飯にしようか。皆お腹減ってるでしょ？』
そう聞くとゾムのお腹がぐぅ〜と返事をした。
『ふふ。いいお返事がきた』
「恥っず…A〜忘れてや今の〜」
「何か手伝えることあるか？」
『やだ…トントン頼もし…んー。大根すりおろす人と秋刀魚の様子見る人、後は必要なもの…お酒とかおつまみの買い出しに行く人が欲しいかな。』
「せやったら…ゾムとロボロに大根、俺が秋刀魚、他は買い出しでええと思うで？」
「おいトントン！俺らが料理の手伝いもできひんみたいに言うな！」
コネシマが大声で振り分けに反抗する
「本当のことやろ！出前で済ましてる筆頭が何を言うか！」
「俺料理できるのに秋刀魚担当やないん？」
「そりゃあゾムさんに任せたらつまみ食いされるからっすよ」
「そういうことや。つべこべ言わず、買い出し行ってこんかい！」
トントンが一喝すると、買い出しを任されたメンバーがよっこらせと起き上がり、買い物に向かっていった。
残った3名をキッチンに案内し、エプロンをつける。
冷蔵庫から取り出した大根を適当な大きさに切り、おろし金とタッパーをテーブルを囲む2人の前に置く。
『じゃあ、ゾムとロボロ。大根おろしよろしくね。さて、秋刀魚捌くかぁ。』
秋刀魚を取りだし、腹を開いて、内臓を取り出す。これだけでいいから塩焼きは簡単なのだ。
「Aー。塩どこー？」
『棚の上ー…そうそう。そこ』
手早く全員分の秋刀魚を捌いていく。
横に渡すだけで程よく塩がかけられ、次々にグリルへと並べられていく。
『ヤダ手際良い…切実に嫁に欲しい…』
「性別変わってるやんwww」
いつも一人寂しく料理している身としてはこういう時とても頼れる。
『意外とすぐ焼けるから先にお味噌汁作っちゃおうか。』
今日の具材は大根、豚肉、ゴボウ。
豚汁じゃねぇかって言ったやつは許さん。地元だと味噌汁に色々入ってるのがよくあることだったんだよ。うちだとじゃがいもとかナスとかエリンギ入れてたぞ。
「A〜大根おろせた〜！」
「これお味噌汁？随分いっぱい入れるんやね」
『ありがと〜！具沢山の方がお腹にたまるからね。我が家流です。』
「Aのお家の味かぁ…んふふ。楽しみやわ！」
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作者名：一 | 作成日時：2022年12月14日 12時
