君に愛の衝撃を！【d!】 (ページ12)

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某映画のアレページ12

その後もオスマンさんとゆったりとお茶会を続け、気づけば空のお日様は真上を通り越していた。

『もうこんな時間か…そろそろ萬屋に戻りますね。』

「…そっか。またいつでも来てな？」

木の扉を開けて、名残惜しそうな顔をしたオスマンさんの横を通り過ぎようとした時、そっと耳元で声がした。

「…何も、狙っとるのは怪盗団(あいつら)だけや無いで？また、お茶会しような。」

すぐにいつもの顔をした彼がひらひらと手を振って奥へと消えていった。
…こういう所が読めないし、苦手な所以なんだよな

黒いカセットテープを鞄の奥底にしまって、内通者に彼らを今晩私の家に呼んで欲しいという旨を伝え、家路についた。
朝に約束した通り、秋刀魚と大根を買った。おそらく全員が来ると思うので少し多めに。
家の冷蔵庫にそれらを入れているときに気がついた

『…これも《愛》に入るのかな』

そんな事はまだ分からない。
とりあえず彼らから気持ちを伝えられるまでは待つことにして、それまでこの気持ちに名前をつけるのは諦めよう。

夜18:00頃、皆が揃って我が家の玄関をノックした

『はーい、いらっしゃい』

「お邪魔します〜」

騒ぎながらあがってくる彼らからの手土産を受け取りつつ、リビング兼応接室に通した。

「Aが俺らの事呼ぶなんて珍しいな」

「なんかあったん？」

少しだけ心配そうな顔をするシャオロンとゾムの頭を撫でる

『大丈夫、今日は皆に届け物があるから呼んだの』

黒いカセットテープをテーブルの上に置く。
皆が興味深そうに覗き込み始めた

「なんやこれ…」

コネシマがテープを掴み、訝しげに眺める

『グルッペンさんからの司令が入ったテープだって』

その一言を伝えれば皆が大急ぎでぴっと姿勢を正す。
満場一致で再生するべきだとなり、テーブルに置いたまま再生ボタンをそっと押した。

【あー…諸君。聞こえているかな？いやはや、最近の活躍は目覚ましいね！素晴らしい！だが、まだ多くの人に届けるには足りない。ということで諸君らに司令を下す！佐山県立美術館、佐山県立歴史館にてイタズラを行うこと！諸君らの健闘を祈るゾ！】

…思いの外普通に司令が来たな。と思っていた私達の考えは次の一言で打ち破られた。

【ちなみに、このテープは秘密保持のため自動的に爆発するようになっているゾ！】

『は？』「うぉぉお！A離れて！」

瞬時にシャオロンが外に投げたお陰で私達は無傷だったが、その日夜空に綺麗な花火が咲いた