6.グラマーバーガー ページ7
「外寒いからやっぱやめるわ」
『ホントはライター忘れたくせに』
バッ、とこちらを振り向くバガパン。ライターを手に持ってる私…
「ちげーよ…寒かったんだよ」
『いい訳いいですから』
「…こねこちゃん?ちゃんと仕事してるの?」
後で来る、と言ったメタトンは本当に来た。
「ぼ、ボス………」
『し、してますよっあの、…お客様が今いらしてないのでっ』
「お客様がいなくてもグラマーバーガーのバンズを作ることくらいはできるよね…?」
カウンターに肘をついて笑顔なボス…
『ぼ、ボス?昨日と扱い違くないすか』
「ん?いいからバンズ作りなよ」
『はい』
バガパンに渡された「型」。どうやらこれに食えるのかどうかもわからないスパンコールと入れてお腹を下しそうなボンドでガチガチに固めるらしい。
『…これを食べたいって言ってるひといるのか…』
「何か言ったかい?」
『何にも言ってないですボス!』
怖えぇ、あれ?昨日ちょっと敵対してたけどやさしそうだったじゃん!やり方はすごい勝手だったけど握手してくれたし、サインもくれたじゃん。
雇われるとみんなこんな対応なの?
推しにこんな対応されるの?
嬉しい!!
「え?アンタ散々なこと言われてたのになんで喜んでんの」
『ボス!一生ついていきます!』
「一生って…アンタ帰るとこあるんだろ!やめとけって!落ち着けよもう!」
『黙ってくれバガパン!俺はボスのために働くんだ!うおぉ』
「敬語と敬称どこ行った!あとお前誰!」
バガパンはバガパンだ。敬語は良しとして、バガパンと呼ばないのは逆に失礼な気がしてならない。
「それで、Aは帰るためのアテはあるの?」
『そんなものは
ありませーーん!!!』
「ないのかよ!行で稼ぐな!文字数限界少ないのに!」
『メメタァ!次の日になったら起きて、やっぱり学校に行かないといけないと思ってたのに覚めない!それどころかさっき踏まれた足がいたーい!!!』
「よかったねこねこちゃん、夢オチっていうのじゃなくて」
「ボス!帰るとこに帰れないと意味ないですよ!」
『やったぁ!生メタトン拝み放題!』
「嫌なことでもあったのか!?ネジ緩み過ぎだろ!」
「勤務中は ボ ス 」
グッリィッ
『アッぎゃあああ!!!』
さっき踏まれた方ではないのをヒールでゴリっと。
『はー!歩けない!困った困った!』
「困った顔してないじゃん!」
落ちつけ。
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とまと(プロフ) - 最後の更新日からかなり日数が経っていることは承知の上で言わせていただきます。この作品面白いです。もしもがあれば続きが更新されることを祈ります…べったべたな夢展開じゃないところに好感を持ちました。 (2月4日 23時) (レス) @page9 id: 9b2ace9749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:松田さん | 作成日時:2019年1月20日 12時