音駒の激強マネ

マネさんじゃなくて椿 ページ7

「やばいですよ！こわい！！」

裏口からバレー部ミドルブロッカーの
灰羽リエーフが顔を真っ青にして
体育館に駆け込んでくる。

灰羽の声に体育館にいた全員が肩を跳ね驚いた。

「うるせぇ！！」

誰よりもはやく灰羽に文句を言う夜久。

「だって！！体育館の前！！Aさんとクロさんのカノジョさんが不気味に笑ってて！！」

「はっ？椿が？椿無事か？！」

『クロさんのカノジョさん』というワードに
敏感に反応し今にも体育館を飛び出しそうな黒尾。

「うわ。」

それを見て顔を顰(しか)める
バレー部セッターの孤爪研磨。

「うわって！うちのマネちゃんと椿が一緒にいるんだぞ？！お前らどっちを心配すべきだと思う！」

大きな声でバレー部全員に質問を投げかける黒尾。

「はい！！マネさんです！」

元気良く手を挙げ、バレー部ウイングスパイカー
山本猛虎が答えた。

「はい違いますー！！心配すべきは椿ですうう！」

「えぇっ…？！」

おかしなポーズで山本を指差す黒尾。
そして困惑する山本。

そんな中、夜久が口を開いた。

「お前らなぁ、普通に二人が仲良くなった可能性を考えろよ。」

呆れたようにため息をつく夜久。
その隣で黙って頷くバレー部ウイングスパイカー
福永招平。

ふと左の掌(てのひら)に右の握りこぶしをポンッと打ち、何かを閃いた様子の福永。
彼は急に立ち上がり、スタスタと体育館真正面の扉へと向かう。

そして勢い良く扉を開いた。

「わっぁ。」

「きゃっ？！」

二人の少女の声がして全員の目線が一点に集まる。

「吃驚しました。扉開けたの福永くんですか。
あとで仕返しします。」

吃驚したと言いつつ冷静な様子の可愛らしい少女

「てっ、鉄朗！違うの、あのねっ別に部活動の邪魔がしたかったとかじゃなくてそのえぇと、Aちゃんと仲良く？なってその、それでっ」

それとは真逆で焦りすぎて頭の中が真っ白な白井

静かに震え、怯えている福永

「うるさい…」

耳を塞ぎ困る孤爪

「つ、椿…何…しに来たんだよ。」

心とは裏腹に白井に対して冷たい態度を取る黒尾

「ま、マネさん！とクロさんの彼女さん！」

二人の少女にあたふたする山本

「こ、怖いです助けて夜久サンッ！！」

「ひっつくな！」

怖がる灰羽に怒る夜久

「マネさんとクロさんの彼女さん仲良くなったんだな！」

「ほんとだね！」

嬉しそうなバレー部ミドルブロッカー犬岡走と
バレー部リベロ芝山優生

全体が混乱しているなか冷静な人物が一人。

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