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服じゃなくて顔 ページ42

「す、少しでも…その…可愛い格好で会いたくて、です。」

と顔を赤くして答えた。
それを聞いた金髪の青年はとても嬉しそうに微笑み

「バカなの?服変えても変わんないデショ。」

Aの顔をのぞき込んだ。
二人の顔は鼻先が触れるか触れないかといった距離で
Aには耐え難かったのだろうさらに顔を赤らめ
顔をそらすと

「それはわかってますけど…なんていうか、気持ちの問題?ですよ。」

「はぁ。」

目を泳がせながら曖昧なことを言うAに
金髪の青年は深いため息を落とした
Aはあからさまに馬鹿にされ少し頭にきたのだろう

「どうせ月島蛍くんにはわからないですよ!」

そう言うとそっぽを向き眉間にシワを寄せ
黙り込んでしまった。
そんなAの様子に金髪の青年…月島蛍は何故か嬉しそうな顔を見せ

「ねぇ。」

と呟くと返事も聞かずにAを抱き締めている手を強め
右の耳元で何かを囁いた。
そして鼻で笑うようにして

「コレで満足?」

煽り半分の表情で問いかけた。
Aは一瞬何が起きたのかわからず数秒間
自身の右耳に手を当てぼうっとしていたが
急にハッとしたように

「そんなこと言ってもらいたかったわけじゃないです!!」

と月島の顔をキッと睨みつけた。
それはそれは赤い顔で。

「ちょっと何言われたの?真っ赤じゃん!」

「なっ!何も言われてないです!」

満面の笑みで問いかけてきた白井の言葉に恥ずかしさが
限界へと達しそうなAは過剰に反応した。
そして身を乗り出して反論したことにより月島に抱きしめられていることを思い出したAは腕の中から抜け出そうとするが
何故か足掻けば足掻くほど月島は腕の力を強めAのことを離そうとしない

「…ちゃんと理由言ったんだからはなしてよ。」

顔をこれでもかと真っ赤にし目に涙をためつつ月島を見つめるA。
月島は今にも零れそうな涙を指で軽く拭うと

「その顔好き。」

といたずらっぽい笑みを浮かべAをはなした。

「僕らあっち戻るから早く来てよね。」

そう言い残し山口とともに月島は来た道を戻っていった。
しばらくして山口が口を開く。

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ろまじ(プロフ) - 奏天さん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。正直コメント拝見した瞬間あまりの勢いに動揺しました笑とても嬉しいですありがとうございます。 (2022年1月26日 20時) (レス) id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
奏天(プロフ) - あぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ好きです(遺言) (2022年1月6日 18時) (レス) @page41 id: 115331bfc2 (このIDを非表示/違反報告)
ろまじ(プロフ) - コムギさん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。コメントとても嬉しいですありがとうございます。とてもゆっくりですが更新頑張りますね。 (2021年10月15日 23時) (レス) @page40 id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
コムギ(プロフ) - この作品面白くて見てて楽しいので凄く好きです!更新待ってます!頑張ってください! (2021年8月19日 0時) (レス) id: 7b0ed3f04f (このIDを非表示/違反報告)
ろまじ(プロフ) - 豆さん» ありがとうございます。だいすきだと言っていただけてとても嬉しいです。お言葉を糧に更新頑張りますね。 (2021年1月14日 10時) (レス) id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろまじ | 作成日時:2019年6月30日 22時

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