何かじゃなくて声 ページ36
暫く重い沈黙が続き
「…Aちゃん、お願いほんとに起きて！」
それを破るように白井がAの肩を掴み激しく揺らす。
「うっん……やっ…だ…っぁ」
「それヤメテ！！！」
揺らされているせいで声がうわずり途切れ途切れで発せられる。
またもや全員が顔を赤く染め気まずそうに目を逸らすなか白井だけが赤くなりつつも必死に声をあげた。
白井は結構な大声を出したはずだが全く起きる気配の無いAに皆が諦めかけたとき
「あ！！」
海が声をあげた。そしておもむろに自身の鞄をあさり携帯を取り出すと慣れた手つきでそれを操作する。
1分もしない内に海の携帯から音楽が流れる。
《♪ 週末の大通りを 黒猫が歩く》
それは早朝海が聞いた着信音だった。
流れてすぐにAの肩が大きく跳ねる。
「ひとちがいでっ！！」
謎の言葉を発すると同時に目を開けたAは自身の周りに集まる部員と後部座席から聞こえてくる音に動揺を隠せないようで
ぱちぱちと瞬きをした後周囲を見回し
「ごめんなさい」
と顔を両手で覆いつつ声を震わせた。
よく見なくても判るくらいに彼女の耳どころか首や手まで真っ赤に染まっている。
「と、とりあえず降りよっか…？」
優しい笑みを浮かべ白井がAに手を差し伸べたが
「…何でこっち見ないんですか。」
白井はAを頭ごと視界から外していた。
Aが不審に思い部員達へ視線を送るが見事に全員がAから目を逸らす。
「私何かしたんですか？」
真っ青になりながら白井の手を取り立ち上がると白井の肩を両手で掴み強く揺すった。
「あー…えっとねぇ、なんて言うか…その」
白井は質問に答えようと試みるがなかなかオブラートに包めないようで言葉を詰まらせる。
「あの、私本当に何をやらかしたんですか？」
「えっ…お、俺に聞か、ない…で…」
とても不安そうに孤爪を見つめ問いかけるが孤爪は咄嗟に視線をそらし更には目をかたく瞑りつつ声を捻り出した。
Aは自身が何をしでかしたのかという不安でますます顔が青くなってしまう。
「もう大雑把でも良いので何をしてしまったのか教えて下さい！」
普段のAからは考えられないほど声を荒らげるので白井は意を決したのか、Aの両手をしっかり掴むと
「……えっと、大雑把に言うと…その、え、えっ…ちな声って言うか…色っぽいって言うか…そんな声が出てて、ね。」
と目を合わせて言い放った。
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ろまじ(プロフ) - 奏天さん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。正直コメント拝見した瞬間あまりの勢いに動揺しました笑とても嬉しいですありがとうございます。 (2022年1月26日 20時) (
レス) id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
奏天(プロフ) - あぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ好きです(遺言) (2022年1月6日 18時) (レス) @page41 id: 115331bfc2 (このIDを非表示/違反報告)
ろまじ(プロフ) - コムギさん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。コメントとても嬉しいですありがとうございます。とてもゆっくりですが更新頑張りますね。 (2021年10月15日 23時) (レス) @page40 id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
コムギ(プロフ) - この作品面白くて見てて楽しいので凄く好きです！更新待ってます！頑張ってください！ (2021年8月19日 0時) (レス) id: 7b0ed3f04f (このIDを非表示/違反報告)
ろまじ(プロフ) - 豆さん» ありがとうございます。だいすきだと言っていただけてとても嬉しいです。お言葉を糧に更新頑張りますね。 (2021年1月14日 10時) (レス) id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろまじ | 作成日時：2019年6月30日 22時
