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偽物じゃなくて私 ページ4

「あれ。どこか痛いですか?怖いことありましたか?」

可愛らしい少女はきょとんとして美しい少女の手を離した。美しい少女の手には真っ赤な跡が残っていた。

「あったわよ!!何よこれ、火傷って!そこまでする人がいるわけ無いじゃない!偽物の写真まで使って私を怖がらせて、何がしたいの?!」

それを聞いた可愛らしい少女は美しい少女の手を掴み一番最後の31ページを強引に開かせた。

そこには先程の大火傷をした腕の写真があった。
しかしそれは先程の写真とは全く違う。
大火傷をした腕の先には笑顔で
長かったであろう袖を捲っている

可愛らしい少女の顔がしっかりと写っていた。

「え、これって…」

「はい。私です。あ、でもいま半袖で腕も綺麗でしょう?すぐに冷したのが良かったんでしょうかね。
一ヶ月もすれば皮がめくれてきて一年もすればほぼ元通りですよー。」

「でも、ほんとうに痛かったんです。もともとお友達はいらなかったんで無視とかはどうでも良かったんです。だから特に反応せずにいたらこれですよ。
普通火傷までさせます?そこまでして私の泣き顔見て何が楽しいんですかねー。」

必死に絞り出したかのような声で美しい少女が答える。

「普通そこまでするわけ無いじゃない。」

「ですよね。私もそう思って油断してたんです。
そして火傷して初めて気付いたんです。」

「カッターキャーをされた時点で私は普通の(・・・)いじめられっ子じゃないんだって。」

可愛らしい少女は満面の笑みで続ける。

「先輩。普通じゃないいじめってね、給食に蛾を入れられたり階段から突き落とされたり個人情報ばら撒かれたりは当たり前にされるんですよ。」

「そんな…」

「先輩がしたカッターキャーで私がまた同じ様な目に遭っていたっておかしくなかったんですよ?
もし黒尾先輩が貴方を信じようとしていたら?
もしそれで私が追い込まれてしまってこの世から逃げようとしていたら?
どう責任を取るんですか。」

「そ、それは…」

可愛らしい少女から
思わず目を逸らしてしまう美しい少女。

可愛らしい少女はそれを許さず自ら美しい少女と
目を合わせにいく。

お互いに目をしっかりと見た状態で可愛らしい少女が口を開く。

「私は呼び出しを頂いて、相手によってはこのミニ説明会を受けていただくようにしています。
その理由は相手を陥れることの愚かさを伝える為です。それで更生するか被害者を出されるかは本人次第ですー。」

他人じゃなくて自分→←何じゃなくて被害報告



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ろまじ(プロフ) - 奏天さん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。正直コメント拝見した瞬間あまりの勢いに動揺しました笑とても嬉しいですありがとうございます。 (2022年1月26日 20時) (レス) id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
奏天(プロフ) - あぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ好きです(遺言) (2022年1月6日 18時) (レス) @page41 id: 115331bfc2 (このIDを非表示/違反報告)
ろまじ(プロフ) - コムギさん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。コメントとても嬉しいですありがとうございます。とてもゆっくりですが更新頑張りますね。 (2021年10月15日 23時) (レス) @page40 id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
コムギ(プロフ) - この作品面白くて見てて楽しいので凄く好きです!更新待ってます!頑張ってください! (2021年8月19日 0時) (レス) id: 7b0ed3f04f (このIDを非表示/違反報告)
ろまじ(プロフ) - 豆さん» ありがとうございます。だいすきだと言っていただけてとても嬉しいです。お言葉を糧に更新頑張りますね。 (2021年1月14日 10時) (レス) id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろまじ | 作成日時:2019年6月30日 22時

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