鍵じゃなくていじわる ページ26
「…そっか。何度も疑ってごめんね。良かったらその人との話聞かせてよ。」
「もちろんです。私は着替え終わったのでもう出ますね。鍵は皆さんにお渡ししておきますね。では。」
笑顔で更衣室の鍵を持って出ていったA。
白井は悩みが無くなりスッキリとした様子で着替えていたがふとAの言葉を思い出し
「性格が悪い！！！」
急いで着替えたのだろう。少し乱れた髪を梳かしながら扉を勢い良く開いた白井。
その目の前には意地悪く笑ったAが立っていた。
「本当に皆さんに渡すと思いました？」
鍵を揺らしながら問いかけるA。
そんな彼女を見て少し怒ったように笑いながら言葉を発する白井。
「はぁ〜。ほんっといい性格してるわ。」
「あは。ありがとうございまぁす。」
猫なで声でそう応えたAは
「今度は皆さんに本当に渡してきますね〜。
先に帰って頂いても大丈夫ですよ。」
と白井にお辞儀をしてにっこり笑うと
体育館までスタスタと歩いて行ってしまった。
「お待たせしました。お先に失礼しますねお疲れ様でした。」
黒尾に鍵を渡し挨拶をして帰ろうとするAに
「ちょっといいかA。」
夜久が声を掛けた。
「はい。どうかしましたか？」
不思議そうな顔をするA。
「いや、それはこっちのセリフなんだ。さっき白井さんの声聞こえてきたけど何したんだ？」
「…ちょっとだけいじわるを。」
気まずそうに目を逸らすAに夜久は畳み掛けるように質問を投げかける
「謝ったか？」
「…いいえ。」
「理由があってやったのか？」
「はい。」
「その理由言えるか？」
その言葉に目を泳がせながら
「白井先輩、不安になるのは仕方ないんですけど不安になる度に私のこと疑ってくるんですもん。えっと、
とA。
「嘘はないか？」
彼は何かに気付いているのだろう。
納得いくまで引かなそうだ。
「…白井先輩に、疑われるのが信用されてないみたいでその…」
「その？」
「ちょっとだけ、さみしくて？」
照れたような、恥ずかしそうな表情のAを見て夜久は一瞬動揺したがすぐに平静になり
「それ、後ろの白井さんに言えそうか？」
と
Aはまたたく間に赤くなり振り返る。
その先には口元を手で抑え笑いを堪える白井の姿があった。
「Aちゃんあれ拗ねてたの？か、かわいー」
Aはこのとき初めて恥じらいとともに白井への殺意を憶えた。
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ろまじ(プロフ) - 奏天さん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。正直コメント拝見した瞬間あまりの勢いに動揺しました笑とても嬉しいですありがとうございます。 (2022年1月26日 20時) (
レス) id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
奏天(プロフ) - あぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ好きです(遺言) (2022年1月6日 18時) (レス) @page41 id: 115331bfc2 (このIDを非表示/違反報告)
ろまじ(プロフ) - コムギさん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。コメントとても嬉しいですありがとうございます。とてもゆっくりですが更新頑張りますね。 (2021年10月15日 23時) (レス) @page40 id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
コムギ(プロフ) - この作品面白くて見てて楽しいので凄く好きです！更新待ってます！頑張ってください！ (2021年8月19日 0時) (レス) id: 7b0ed3f04f (このIDを非表示/違反報告)
ろまじ(プロフ) - 豆さん» ありがとうございます。だいすきだと言っていただけてとても嬉しいです。お言葉を糧に更新頑張りますね。 (2021年1月14日 10時) (レス) id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろまじ | 作成日時：2019年6月30日 22時
