電話じゃなくて別れ道 ページ12
電話に出た直後、白井に向かって小さな声ですぐに済ませます。ごめんなさいと謝るA。
それに対し白井は右手で丸を作りAに笑顔で頷いた。
ホッとした表情のAは軽く白井に礼をして電話に集中する。
「あ、はい。こんばんは。…そうですか。
楽しみです。体調は崩してませんか？
…あは。それは良かったです。それで…」
楽しそうに話すAのことを
微笑みながら見守る白井。
通話をはじめてから2分ほどしただろうか。
Aは唐突に声が高くなり、明らかに動揺した様子を見せる。
「えっ？あ、いや、その…そうじゃな…えっ、やだやだ！やめてくださっ…山口くっ…ヒィッ！！
ごめっ、ごめんなさい！」
《pipipipipipipipi》
顔を真っ赤にして
通話を終えるボタンを連打するA。
それを見た白井は一瞬驚きはしたが
何かに気づいたようですぐに口角を上げた。
「ね。すごく楽しそうだったけど今のヤマグチくんってAちゃんの好きな人？？」
先程の動揺はどこへ行ったのだろうか。
「…いいえ。まず私に好きな人なんていません。」
と冷静に答えるA。
「照れなくていいのに。」
楽しそうに笑う白井。
「照れてません。あ。どっちですか？」
二人で会話しながら歩いていたからだろう。いつの間にかAと白井は自身の家へと繋がる別れ道の前まで来ていたようだ。
Aの質問に白井が答える。
「右だよ。」
「あー。私左です。ここでさよならですね。」
少し寂しそうにぺこりと礼をするA。
白井も名残惜しそうに彼女に手を振った。
二人が先程の道で別れてから約10分。
Aは自身の家の目の前で立ち止まっていた。
「お家、帰りたくないな…」
とても辛そうな表情のA。
その言葉が聞こえたのだろう。
「何か嫌なことでもあるんですか。」
たまたま通りかかった青年が声をかけてきた。
「え。誰です…」
言い切る前に青年の着ているジャージを
まじまじと見て何かに気づいたかのようで
自分の着ているジャージを青年に見せ
「二年生です。はじめまして。」
と軽く笑うA。
「同じく二年です。はじめまして。
良ければ帰りたくない理由聞かせてください。」
「あは。ありがとうございます。
でも、しょうもないことですよ？」
Aに向かって軽く微笑む青年。
「でも、話したら多少楽になるんでしょう。」
教えて下さいと微笑む青年にAも微笑を返す。
二人は場所を変え、公園のベンチの端と端に座る。
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ろまじ(プロフ) - 奏天さん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。正直コメント拝見した瞬間あまりの勢いに動揺しました笑とても嬉しいですありがとうございます。 (2022年1月26日 20時) (
レス) id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
奏天(プロフ) - あぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ好きです(遺言) (2022年1月6日 18時) (レス) @page41 id: 115331bfc2 (このIDを非表示/違反報告)
ろまじ(プロフ) - コムギさん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。コメントとても嬉しいですありがとうございます。とてもゆっくりですが更新頑張りますね。 (2021年10月15日 23時) (レス) @page40 id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
コムギ(プロフ) - この作品面白くて見てて楽しいので凄く好きです！更新待ってます！頑張ってください！ (2021年8月19日 0時) (レス) id: 7b0ed3f04f (このIDを非表示/違反報告)
ろまじ(プロフ) - 豆さん» ありがとうございます。だいすきだと言っていただけてとても嬉しいです。お言葉を糧に更新頑張りますね。 (2021年1月14日 10時) (レス) id: 18231af5bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろまじ | 作成日時：2019年6月30日 22時
