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初めての日本代表招集。
絶対観に来て、ってたっちゃんからチケットが送られてきて
ドキドキしながら一人で来た。
バレーはわからないながらもやっぱりすごく楽しくて、
何よりファンの人がたくさんいて圧倒された。
こんなにたくさんの人に応援してもらってるんやって
ちょっぴり寂しくなったりもした。
そんな中ひとり、かっこいい人がいて。
プレーも見た目もめちゃくちゃかっこいい。
詳しくなくてもこの人のバレーはすごい。
久しぶりに、胸が高鳴って、
やばい！たっちゃんに報告せな！ってわくわくした。
．
『心配やから来て』
試合が終わって、楽しかったよありがとう、帰るねって
たっちゃんにLINEを入れたら送られてきた文面。
心配、ってもうわたしも成人してるんやけど？
ここまで一人で来れたし。
そもそもたっちゃんは終わったあと寮とかホテルとか
そんなんに泊まるんちゃうん？
そんな疑問を抱えながら指定された場所に着いて、
たっちゃんに言われた通り手続きを済ます。
選手やスタッフ、関係者しかいないような
バックヤードに案内されて、明らか場違いなわたし。
大学バレーとか、高校バレーとかの時も取材の人とか
おったけど、比べ物にならへん。こわい。
「A、」
「…！
たっちゃん！ほんま、こんなとこ、こわい」
「久しぶりやん、ここでしか会われへんかって」
ごめんな？ってわたしの頭をぽんぽん撫でるたっちゃんに
拍子抜けする。
「見とった？試合」
「あたりまえ！すごかった！たっちゃん、国の代表とか、
わたしが言った通りになったやろ？」
「ドヤ顔すんな」
いつもみたいににこにこ笑うたっちゃんに、安心する。
「あ、そういえばたっちゃん」
「ん？」
さっきのこと、言わな！って思ってたら視界に入った姿。
「……っ」
「……A？」
「……たっちゃん、あのひと、かっこいい」
「え？」
．
こっちに、歩いてくる。
さっきのハーフみたいなかっこいいひと。
．
「あれ、たつのりさん？
彼女っすか？」
こんな早くに、こんな近くで会えるなんて。
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作者名：海松 | 作成日時：2024年2月15日 23時
