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Aはほんまにずっと、俺に懐いてくれとって。
俺が京都の高校行くって言うたらわたしも受ける！って言うて
ほんまに一年後入学してきたり。
高校卒業後の進学先が東京やって伝えた瞬間なんかは
目の前でめちゃくちゃ泣かれて、進路について本気で考え直そうか迷ったくらい。
俺の出発日について話すと、
「……まってその日なんかあった気がする」
「別に無理せんでええから」
「あっ！…まあ、いっか」
「なんかあるんやろ、別にええよ」
「彼氏の誕生日やった！」
けろっと言うけど、それめちゃくちゃ大事やんか。
「いやいやいやいや、あかんって」
「なんで！いく！」
「なんでやねん、彼氏に会いに行き」
「いやや、たっちゃんの方が大事やもん」
「……いやそれA、」
「絶対ばいばいって言わんと後悔する、
たっちゃんなんも言わへんと行きそうやし
まってなんか言いかけた？」
「なんも」
「なんやのー、へんなたっちゃん」
「……変なのはAやろ」
「な！へんちゃうし！」
当日はボロ泣きのAに、散々抱きつかれて
涙でびしょびしょになった服のまま、新幹線に乗った。
「…たっ、たっちゃ、」
「んー？」
「っ、わたしっ、ばれーわからんけどっ」
「うん」
「たっちゃん、やったら、せかいいちなれるっ」
「俺が今からどこ行くと思ってんねん」
最初はエールを送ってくれとると思ってたのに、
「……ざびじいっっ」
最終的にはこうなって。
鼻水ズビズビのまま、俺を見上げる。
「寂しいん？笑」
「…めっちゃっ、さびし、っ」
「いつでも帰ってくるから」
「…たっちゃ、ん、はっ、さびしくないん？」
「寂しいで、めちゃくちゃ」
．
この日はじめて、愛おしいって気持ちを込めて
Aを抱きしめ返して。
一生、かなわんなあって思いながら、新大阪をあとにした。
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作者名：海松 | 作成日時：2024年2月15日 23時
