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ただ、中学生になったAに恋心を抱くのは、
もちろん俺だけじゃなくて。
見た目のかわいさはもちろん、
たまに見せる天然ぶりで他の男にもモテモテで。
おれが幼なじみなことを利用して、Aに近づこうとするやつなんかめちゃくちゃおった。
ぜんぶ、断っとったけど。
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それでも一番問題なんが、
「たっちゃん！好きな人できた！」
「たっちゃーん！付き合うことになってん！」
「たっちゃん、振られた〜〜〜、、」
Aがいつからか、恋多き女の子になってしまったこと。
昔から少女漫画や恋愛ドラマが好きやったけど、ここまで恋愛体質なん？って。
浮気されて振られても、すぐに次が見つかってた。
しかもほんまに脈ないんか逐一報告されるし。
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それでもAは好きな人がいても彼氏ができても
当たり前のように俺の部屋に上がり込んできて、
ベッドに寝転んで漫画を読む俺の背中を平気で叩いて
「たっちゃん！これ行こ！」
「…んーどれ、」
「これ！！！」
「……」
Aの好きなイラストレーターが来る展示会に行きたいらしい。
彼氏と行ったらええやん、
っていつも思うけど言わんのは俺の性格の悪いとこ。
「あ、たっちゃん今彼氏と行けばって思ったやろ〜？
彼氏こういうの興味ないんやもん」
スマホをかざして話す姿が、悔しいけど、かわいい。
「俺もないんやけど」
「………行ってくれへんの？」
「…、、行こか」
「やったー！たっちゃん、だいすき！」
「あーもう、痛いから叩くな」
この関係に、慣れたつもりやってんけど。
＿＿
「……たっちゃん、あのひとかっこいい」
この目、何度も見てきた。
きらきらしてる目。俺だけに向けて欲しいってずっとずっと思ってきたこの目。
Aが、恋に落ちる時の目。
「え！たつのりさんの彼女っすか？」
こんなんもう、終わりやん。
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作者名：海松 | 作成日時：2024年2月15日 23時
