7 ページ7
·
「「ごちそうさまでした！」」
ふたりで一緒にごちそうさまをして、
いいタイミングで来た仲居さんに片付けをしてもらえば
あとはもう完全にわたしと藍のふたりきりの時間。
ほろ酔いの藍に、「ん、」って手を広げられるから、
ほろ酔いのわたしは藍の膝の上に乗って、ぎゅっと抱きつく。
「素直やん、今日」
「んー、ふふ」
「酔ってんの？」
「酔ってるかも」
こっち見て、って言われて見れば、
見下ろす形の上目遣いの藍が「かわいい」って呟く。
そのままキスをされそうになったから、
わざと体を反らして避けてみる。
「Aちゃん？笑」
「んふふ、なあに」
「逃げんといて？」
「えーー、」
藍のおっきな手で首の後ろをぐいっと引き寄せられて
さっきよりもだいぶ密着させられる。
「、ん、」
下から掬うように唇が重なって
藍のほっぺたを両手で触るとうれしそうに笑う。
だけどその目は一瞬で男の目になって。
逃げる隙もないくらいに唇を食べられる。
「っん、ぅ、」
舌を入れられて、深く、深くされるキスはほんのりお酒の味がして、また更に酔ってしまいそう。
「、ぷは、」
唇が離れて、見下ろす藍の目はまだギラギラしていて
「っわ、えっ、らん、」
抱きついた状態のまま抱えられて
何も言わない藍はわたしを仲居さんが敷いてくれていた布団の上に降ろす。
「ら、ん、、んんっ」
また唇が降ってきて、
藍の手がわたしの浴衣の胸元にきたところでなんとか静止した。
「…っらん、まだ」
「まだ？」
「……はみがき、したい」
「歯磨きしたいん？笑」
「……だって」
「だって？」
「……、終わったあと、そのまま寝ちゃうから、」
「ん、ふふ」
優しく起こしてくれて、少し乱れた襟元を直してくれて。
「Aちゃん、ほんまにかわいい」って
わたしの頭を撫でたあと、おでこにちゅーってしてくれる。
洗面所まで恋人繋ぎで一緒に行ってくれる背中に、
聞こえるか聞こえないかくらいの声で
だいすき、ってつぶやくと、
「ん？」って振り向く表情がかわいくて、愛おしい。
·
·
·
夜編へどうぞ♡
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←6
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 314人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海松 | 作成日時：2024年1月21日 1時
